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平成三年三月十五日提出
質問第七号

 交通・災害・病気遺児らの生活と教育等に関する質問主意書

右の質問主意書を提出する。

  平成三年三月十五日

提出者  藤田スミ

          衆議院議長 櫻内義雄 殿




交通・災害・病気遺児らの生活と教育等に関する質問主意書


 昨年は交通事故による死者が一万千二百二十七人とこの十五年で最悪を記録しました。多くの新たな交通遺児が生み出されたことにもなります。自然災害や不慮の事故、さらには病死なども含め、一家の働き手を失った遺児家庭の窮状は、母子家庭調査からもうかがうことができます。政府の全国母子世帯等調査(八八年度)によれば母子世帯数は八十四万九千二百世帯、平均収入は二百二万円(税込み)で一般世帯の年収の三九%にすぎません。この五年間の一般世帯の年収増六十九万円に対し母子世帯ではわずかに二万円という状況です。
 こうしたなかで昨年暮れ、交通・災害・病気遺児と母親の全国大会が開かれ、切実な要求が訴えられました。このなかでは政府の責任が問われるものが非常に大きいのが特徴です。たとえば遺族年金、児童扶養手当は、子どもが満十八歳になると高校在学中でも支給が打ち切られています。災害遺児育英制度の創設と国庫補助の実現については、八六年同時選挙の各党の公約やその後の国会答弁にもかかわらず、いまだに政府は何の措置もとっていません。それどころか、制度化されている交通遺児育英会に対する国庫補助を八八年度から今日まで六割もカットしているのです。これは国の責任を放棄するものであり、さらに、交通遺児たちが同じような境遇の遺児たちにも進学の機会を、と要求し運動していることにも水をさすものになっています。
 既にわが党の不破委員長はこうした事態の改善を昨年末の党首会談で海部首相に申し入れていますが、改めて以下の点について質問します。

一 遺族基礎年金及びその加給年金(子の加算)、児童扶養手当、障害基礎年金の加給年金(子の加算)支給停止を満十八歳から満二十歳に延長し、当面少なくとも高校卒業時まで延長することについて
 @ 母子及び寡婦福祉法では、児童とは二十歳に満たない者をいう、とされており、これら遺族基礎年金等は子どもが二十歳未満の間は支給すべきではありませんか。
 A 今や高校進学率は九五%をこえ準義務教育化している一方、これら遺族基礎年金等は満十八歳で打ち切られるため、高校三年在学中に支給が停止され生活の支えを失い、場合によっては退学を余儀なくされるなどの不合理が生じています。当面少なくともこうした点は速やかに改善すべきではありませんか。
 B 七九年の衆議院社会労働委員会で、「母子福祉年金、児童扶養手当の支給要件となる子の年齢の『満十八歳未満』を『高等学校卒業までの間』とするよう検討すること」という附帯決議が全会一致で採択されていますが、これまで政府はどのような検討を行ってきましたか。
   既に八九年度から国家公務員給与の児童扶養手当は「十八歳に達した後の最初の三月」、つまり高校卒業時まで延長されています。「母子世帯等に対しては、児童の健全育成を成し得るよう支援する必要がある」(八九年版厚生白書)というなら、政府は直ちにこれら遺族基礎年金等の支給期間の改善に取り組むべきではありませんか。
 C 高校卒業時まで延長したら、これらの支給額の増加は年間どのくらい見込まれますか。
二 遺族基礎年金の加給年金額(子の年金)自体も、この十年間で月額千三百六十七円増やされただけで、九〇年度月額一万六千三百六十七円(子供一人の場合、月額)ときわめて不十分なものです。遺族基礎年金・障害基礎年金の加給年金、児童扶養手当の大幅な増額を図るべきではありませんか。
三 交通遺児育英会への国庫補助は八八年度の四億五千万円から九一年度は一億八千八百万円に激減しています。政府はその理由として償還金が増え資金があるなどとしていますが、この事業は街頭募金や市民の善意を集めて進められており、こうした活動に依存しながら国の予算を削減するのは重大問題です。本来果たすべき国の責任からすれば国庫補助は全く不十分なものです。むしろ制度の趣旨にそって事業の充実、発展を図ることこそ必要なことです。国庫補助を削減前の水準に戻すべきではありませんか。
四 災害遺児育英制度については、八八年に竹下首相(当時)が「財源措置を含め、四月一日に間に合うよう検討中」とまで答弁していたものであり、同じく文部省も「制度的には可能」と言明していたことは重要です。
  この原点に立って、国の補助による災害遺児育英制度を実現すべきではありませんか。

 右質問する。





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