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平成三年十二月六日提出
質問第三号

分譲マンションに関する質問主意書

提出者  寺前 巖




分譲マンションに関する質問主意書


 今日、全国の分譲マンションは、二〇〇万戸と推定され、毎年一〇万戸規模で増えることが見込まれている。急増するマンション居住者からは、さまざまな要望と意見が寄せられている。
 以下、次の質問をする。

一 電力会社の変圧室について
 分譲マンションにある変圧室(変圧器の供給設備を設置している場所)は、無償で電力会社に貸与されている。ほとんどのマンションの変圧室は、底地も建設も区分 所有者(管理組合)の所有で、固定資産税や塗装などの修繕・維持費用も住民負担になっている。
 これは、電気事業法による電力会社の供給規定「中高層住宅などでは変圧器などの供給設備を施設する場所を需要家から提供していただく」に基づき、マンション開発業者(分譲業者)が無償の使用賃貸契約を電力会社と結び、分譲時に売買契約書、及び管理組合規約に記載し、マンション購入者に無償契約を継承させている事の結果である。
 この無償の使用賃貸契約は、電力会社及びマンション開発業者による「不特定多数の区分所有者の共有財産になる事が明確な不動産の『処分』」であり、区分所有者の権利を侵害するものである。
 マンション居住者は、マンション内の空地は良い環境づくりのための緑地や、生活のための駐車場として効果的に活用しており、居住者より「変圧室のスペースを駐車場にすれば十台分になる」「外壁塗装など維持費から固定資産税まで負担しているが納得がいかない」と怒りの声が寄せられている。
 この間、関西電力本社はマンション居住者との交渉で、「@変圧室のメンテナンスに関する電球、換気扇などの交換と電気代は負担するA鉄扉、鍵の取替え、金網フェンスの補修など危険防止上必要なものについて負担する」と回答している。しかし、変圧室の使用料、固定資産税の負担については拒否している。
 電力会社は、この施設を活用して電力を供給するとともに、そこから利益を上げており、一般の商習慣からも固定資産税額を含む「使用料」の支払いは当然である。 この供給規定は、場所の提供はやむを得ないとしても「無料」としておらず、「有償契約」及び「修理費負担」としても何ら矛盾をもつものではない。
 1 地価高騰時代の今日、土地所有者である区分所有者(管理組合)が、土地の有効利用を考えるのは当然であり、電力会社に対して、変圧室の使用料、外壁塗装を含む修理費の負担を指導すべきであると考えるがどうか。
 2 マンション内の電柱の土地使用料が開発業者に支払われていたり、変圧室の電気料が管理組合の負担になっているところも残っている。正規に支払われているかどうか総点検を行うよう電力会社に指導すべきであると考えるがどうか。
 3 変圧室は、六〇〇〇ボルトの高圧電流がはいっている。しかし内部の高圧箇所の周囲に安全フェンスがないところや、フェンスに鍵のないところがある。また、天井がフェンスになっており、そのフェンスが腐蝕している場合もあり、子供がフェンスにひっかかったボールを取りに上がるなど、危険な状況が生まれている。さらに、扉が腐蝕し長期間、鍵がかからないまま放置されていた状況も発見されている。変圧室の安全状況を定期的に点検するよう、電力会社に指導すべきだと考えるがどうか。
二 大規模修理について
 1 日本建築学会の調査によると、マンションの耐久年数は四十七年と推定し、耐久年数いっぱいにもたせるためには、十年に一度の大規模修理が必要としている。そして、それに必要な維持保全費は建設時コストと同じ規模といわれている。さらに立て替えとなれば大変な資金準備が必要となる。
   各マンションでは、管理組合としてこの大規模修理にどう対応していくかに苦労している。大規模修理が不十分であればスラム化は必至であり、住宅政策の一環として重視しなければならない課題となっている。
   そこでまず大事な点は、開発業者(分譲業者)に対する指導の問題が考えられる。「修繕期をむかえるが修繕計画がない」「修繕期に来ているが積立金が不足している」などの切実な問題が寄せられているが、これは開発業者が購買者の買う気をさそうために「積立金を安くする」など、まったく無責任な商法が引き起こしたものである。
   開発業者に対して、分譲に当たって「修繕計画」と適切な「修繕積立計画」を作成し、管理組合に引き継ぐよう指導すべきであると考えるがどうか。
 2 大規模修理への融資の問題について、建築費用が高騰している実態にあわせて、「住宅金融公庫」のリフォーム融資の限度額を引き上げることが必要になっている。とりわけマンション管理センターの保証を利用する場合、一人当たりの融資額は管理組合が法人化している場合一〇〇万円、非法人は五〇万円となっている。現在急増している小規模マンションは、一世帯当たりの負担額が高く五〇万円ではとうてい間に合わない実態となっている。
   マンション管理センターが保証する非法人格マンションへの融資限度額を引き上げるか、格差を是正すべきと考えるがどうか。
 3 管理組合が住宅金融公庫から融資を受ける際、融資を希望する住戸の中に賃貸住戸がある場合、その賃貸状況について、「現行家賃報告・家賃変更計画書・家賃設定報告書」の提出が義務付けられている。一方マンション管理組合からは「共用部分の改修に関して管理組合として融資を申し込むのに、専用部分の居住者個人のプライバシーにも立ち入る調査が求められているが、納得いかない」「書類調査が完全にできるかどうか自信がない」などの意見が寄せられている。この際、住宅金融公庫の融資に当たっては、マンションの実情にあわせて現実的対応を行うよう公庫に指導すべきであると考えるがどうか。
 4 年金生活者など高齢世帯にとって、修繕費の負担は大きいものとなっている。住宅金融公庫融資の利子の引き下げなど優遇措置を講ずるべきであると考えるがどうか。
三 マンション管理員の労働条件の改善について
 「マンションは管理を買え」と言われるほど、管理の善し悪しがマンションの取引き価格に影響するとさえ言われている。良い管理を行う条件として、@管理組合が機能していることA日常の管理体制が確立している(管理員の配置など管理業務に携わる人員の配置など)ことが上げられる。
 この中で管理員の果たす役割は少なくありません。管理員の方からは、「管理組合の機能が働いていないため、すべて管理員まかせで責任がもてない」「良い管理をしたいと思っても管理会社は研修さえしていない」「管理人室とは名ばかりで水道、ガス、空調がない、中にはトイレさえないところもある、労働条件の改善を」などの声が寄せられている。
 1 開発業者(分譲業者)に対して、建設時に管理業務をするにふさわしい規模の管理人室を設置するよう義務付けるべきであると考えるがどうか。
 2 管理会社に対して、管理員の管理業務に必要な知識の習得をはじめとする研修制度を義務付けるべきであると考えるがどうか。
 3 今日、急増するマンション居住者に対応できるよう、各地方自治体に対して「マンション問題相談窓口」の設置と、法律や建築技術の専門家を配置すべきであると考えるがどうか。

 右質問する。



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