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平成五年六月十六日提出
質問第一八号

プルトニウムの需要と供給に関する質問主意書

提出者  長谷百合子




プルトニウムの需要と供給に関する質問主意書


 核兵器の材料となるプルトニウムを備蓄することは国際的に許されないし、我が国政府も備蓄しないと明言しているが、需要と供給についてはっきりしない点が多く問題がある。
 次のとおり質問する。

一 プルトニウムの需要について
 一九九三年二月二十六日の参議院科学技術特別委員会において、石田政府委員は一九九二年十二月三十一日現在までの核分裂性プルトニウムの使用量は、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の一・一トン、高速実験炉「常陽」の一・一トン、新型転換炉「ふげん」の一・〇トン、研究開発用の〇・五トンの合計三・七トンであった旨、答弁している。
 1 「もんじゅ」に使用した量は一・一トンとされているが、初装荷炉心燃料について設置許可申請書では約一・〇トンとなっている。さらに、一九九二年十二月八日の衆議院科学技術委員会においての石渡参考人の答弁は一、三六〇キログラムで食い違いがある。
  @ 一、三六〇キログラムが初装荷炉心全体での量である場合、設置許可申請書の一・〇トンとの違いはどういうことか。
  A 一、三六〇キログラムが初装荷炉心全体での量でない場合、一、三六〇キログラムは何の量を表しているのか。
  B 正しい初装荷燃料全体の核分裂性プルトニウム量は何キログラムか。また、MOX量では何トンMOXか。
  C 一九九二年十二月三十一日までに初装荷炉心全体の何%の燃料が完成していたのか。
  D 一・一トンは燃料に組み込まれた量か。そうでない場合、何の量を表しているのか。
 2 「もんじゅ」のプルトニウム燃料製造は失敗がかなりある。
  @ 現在までに「もんじゅ」の燃料製造は何%が完成したか。
  A 現在までに「もんじゅ」の燃料製造に使用した核分裂性プルトニウムの全量は何キログラムか。
  B Aのうち燃料に組み込まれず失敗に終わった核分裂性プルトニウムは何キログラムで、そのうち、プルトニウム廃棄物として保管されている量は何キログラムか。
 3 研究開発用に使用した核分裂性プルトニウムは〇・五トンとのことだが、敦賀1号、美浜1号で行われた軽水炉でのMOX燃料利用実験で使用した量はそれぞれ四キログラム、四〇キログラムで合計四四キログラムにしかならない。残る四五六キログラムを使用した施設(固有の名称)と使用量を明らかにしていただきたい。
二 プルトニウムの供給について
 一九九三年二月二十六日の参議院科学技術特別委員会において、石田政府委員は一九九二年十二月三十一日現在までの核分裂性プルトニウムの供給について、動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)の東海再処理工場から二・九トン、海外から一・三トン、合計四・二トンであったと答弁している。これらの詳細について伺う。
 1 東海再処理工場において、一九九二年十二月三十一日までの再処理量は六八〇トンである。そこから核分裂性プルトニウム二・九トンが得られたことになるが、次の内訳を明らかにしていただきたい。
  @ 電力会社の使用済核燃料の再処理量は何トンで、そこから得られた核分裂性プルトニウム量は何キログラムか。
  A 日本原子力研究所の使用済核燃料の再処理量は何トンで、そこから得られた核分裂性プルトニウム量は何キログラムか。
  B 動燃自身の使用済核燃料の再処理量は何トンで、そこから得られた核分裂性プルトニウム量は何キログラムか。
 2 英国からの一九九二年十二月三十一日までのプルトニウムの供給について次の量を明らかにしていただきたい。
  @ 英国の再処理工場における日本の使用済核燃料の再処理量は何トンで、そこから得られた核分裂性プルトニウム量は何キログラムか。
  A 英国から購入した核分裂性プルトニウム量は何キログラムか。
  B @、Aの核分裂性プルトニウムのうち日本への輸送が済んだのは何キログラムか。
 3 フランスからの一九九二年十二月三十一日までのプルトニウムの供給について次の量を明らかにしていただきたい。
  @ フランスに持ち込まれた使用済核燃料は日本以外のものも含めると累積総量は何トンで、日本の持ち込み分は再処理の済んだものも含めて累積総量は何トンか。
  A フランスの再処理工場における日本の使用済核燃料の再処理量は何トンで、そこから得られた核分裂性プルトニウム量は何キログラムか。
  B フランスから購入した核分裂性プルトニウム量は何キログラムか。
  C A、Bの核分裂性プルトニウムのうち日本への輸送が済んだのは、今年一月の「あかつき丸」による輸送量一、〇七六キログラムを含めて、何キログラムか。
 4 一九九三年三月三十一日現在の核分裂性プルトニウム在庫について、次の量を明らかにしていただきたい。
  @ 東海再処理工場で抽出された核分裂性プルトニウムのうち、プルトニウム燃料加工ライン等に回されておらず、未使用となっている量は何キログラムあるか。また、そのうち、買取り等によって動燃の所有となっている量は何キログラムか。
  A 英国の再処理工場で抽出された日本の分の核分裂性プルトニウムのうち、日本へ輸送されずに残っている量は何キログラムか。また、そのうち、買取り等によって動燃の所有となっている量は何キログラムか。
  B フランスの再処理工場で抽出された日本の分の核分裂性プルトニウムのうち、日本へ輸送されずに残っている量は何キログラムか。また、そのうち買取り等によって動燃の所有となっている量は何キログラムか。
 5 一九九三年二月二十六日の参議院科学技術特別委員会において、石田政府委員はプルトニウムの備蓄について「一定のランニングストックを見込みながら収支バランスをして使い切っていく」と答弁しているが、「一定のランニングストック」なるプルトニウム量の基準はあるのか。あれば、どのように計算されるのか。
 6 4の@、A、Bの核分裂性プルトニウムはランニングストックということであるから使い道がはっきりしていなければならない。
  @ 英国、フランスにある核分裂性プルトニウムは「日本に輸送してから燃料加工する」のと「海外で燃料加工してから日本に輸送する」のどちらであるか。
  A 英国、フランスにある核分裂性プルトニウムの使い道は「もんじゅ」、「ふげん」、軽水炉MOX利用に対応するランニングストックはそれぞれ何キログラムであるか。
三 動燃は核分裂性プルトニウムを電力会社から買い取っているが、一キログラム当たりの買取り単価は、一九八四年のプルトニウム輸送では五百二十九万円、今年一月のプルトニウム輸送では百二万円、国内の東海再処理工場からのものは一九八八年が百三十万円、一九九一年では百二十万円とばらつきがある。以下の量、金額を明らかにしていただきたい。
 1 東海再処理工場から抽出された電力会社の核分裂性プルトニウムについて、次の各日付までの動燃の電力会社からの累積買取量はそれぞれ何キログラムで、動燃の電力会社への支払総額はそれぞれいくらか。
  @ 一九九一年十二月三十一日までの累積買取量、支払総額。
  A 一九九二年十二月三十一日までの累積買取量、支払総額。
  B 一九九三年三月三十一日までの累積買取量、支払総額。
 2 英国の再処理工場から抽出された電力会社の核分裂性プルトニウムについて、次の各日付までの動燃の電力会社からの累積買取量はそれぞれ何キログラムで、動燃の電力会社への支払総額はそれぞれいくらか。
  @ 一九九一年十二月三十一日までの累積買取量、支払総額。
  A 一九九二年十二月三十一日までの累積買取量、支払総額。
  B 一九九三年三月三十一日までの累積買取量、支払総額。
 3 フランスの再処理工場から抽出された電力会社の核分裂性プルトニウムについて、次の各日付までの動燃の電力会社からの累積買取量はそれぞれ何キログラムで、動燃の電力会社への支払総額はそれぞれいくらか。
  @ 一九九一年十二月三十一日までの累積買取量、支払総額。
  A 一九九二年十二月三十一日までの累積買取量、支払総額。
  B 一九九三年三月三十一日までの累積買取量、支払総額。

 右質問する。





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