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平成六年二月十八日提出
質問第二号

他用途利用米差益に関する質問主意書

提出者  藤田スミ




他用途利用米差益に関する質問主意書


 他用途利用米は、政府が、コメの輸入自由化を防ぐためと称して、農業者に、政府米の四割の価格で割り当てを押し付けてきたものであり、農業者に多大な犠牲を課すものであった。この他用途利用米の集荷、売渡業務については、食管法に基づく通達によって、指定法人に当たらせてきた。政府は、当然、その指定法人を監督する義務があった。
 しかし、他用途利用米については、その取り扱いによって生じる差益金をめぐって、さまざまな疑惑が生じており、その疑惑を解明し、政府の監督責任を明確にすることこそが、今もっとも求められている。
 したがって、次の事項について質問する。

一 他用途利用米には、他用途利用米奨励金が、全農に支出され、その奨励金を含めて、プール計算されており、プール計算の詳細について、政府が責任を持って監督する義務があると思うが、どうか。
二 全農は、他用途利用米のプール計算について、運送料や、金利、保管料以外に、需要拡大対策費(総額一三一億四九〇〇万円)や生産集荷対策費(総額一三六億七八〇〇万円)などの項目を挙げてやってきた。それは、当初、運送料、金利、保管料についてのみプール計算をするという食糧庁の指導の枠を超えていた。需要拡大対策費や生産集荷対策費は、農業者に還元すべきでないか。
三 食糧庁は、九三年二月に、わが党の指摘で、八年間放置してきた他用途利用米の差益金の精算還元を行わせたが、八年間も精算をせず差益金を放置してきたのはなぜか。また、差益金の農業者に対する精算をしなくてよいと行政指導をしてきたのか。
四 全農は、制度発足の八四年産から八六年産の三期の間に、広告宣伝費の名目で、二〇億三〇〇万円、販売促進対策費の名目で、一八億三六〇〇万円、合計して、三八億三九〇〇万円も経費として支出しているのである。これに対して、食糧庁は、当初「加工原材料用の需要は現行の過剰米処理による政府売却価格水準であれば、約二七万トン程度見込まれていますが、当分の間(少なくとも三期中)は、ほぼこの水準で推移するものと考えられます。」としていた。
  食糧庁は、自ら需要が一定と見通していたにもかかわらず、三八億円もの販売促進費や広告宣伝費が使われていたことを知っていたのか。また、知っていたとしたなら、その内容を調査し、それが妥当なものと判断したのか。そうであるなら、その根拠を明らかにし、販売促進費及び広告宣伝費の内訳を明らかにせよ。
五 他用途利用米は、その制度発足時から、もち米、酒米、ピラフ用などの主食用米は対象とされていなかった。しかし、その後、関係業界の強い要望があって、それらが他用途利用米の対象となった。
  ところが、全農は、他用途利用もち米が取り引きされていない八七年産について、他用途利用もち米価格対策費を五億三五〇〇万円も支出した。それは、本来あり得べからざることである。しかも、八八年産については、八億九二〇〇万円も他用途利用もち米価格対策費が支出されている。これを販売数量で割るとトン当たり、一二万七四二八円にも上り、他用途利用もち米取引価格のトン当たり二一万円の実に六〇%にも当たるものであり、価格対策の常識を超える支出である。
  政府として、このような支出する理由のない経費支出がなされてきたことを放置してきたのは、なぜか。また、他用途利用もち米価格対策費の支出先とその支出額を明らかにするとともに、このような価格対策費は、農業者に還元すべきであるが、どうか。
六 全農によれば一三六億七八〇〇万円に及ぶ生産集荷対策費は、各県経済連や単位農協に返還したとしているが、そこから、生産者には、まったく還元はされていない。それらは、本来農業者に帰属する金である以上、いったい、それぞれの系統農協は、何にその金を使ったか、農業者に明らかにする責務があるはずである。政府として、調査報告すべきと考えるが、対応を明らかにせよ。
七 現在、他用途利用米については、コメの自由化問題で、農業者がその押しつけに反対をしている。これに対して、政府は、他用途利用米の割り当てをし、それを受けなければ、ペナルティーをかけるとの動きも示しているなど、国政上の大きな問題になっている。政府として、他用途利用米の割り当ての強制やペナルティーをかけるべきでない。見解を明らかにせよ。

 右質問する。





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