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平成八年四月九日提出
質問第一四号

日本の金融制度に関する質問主意書

提出者  山本 拓




日本の金融制度に関する質問主意書


一 金融機関が抱える不良債権のディスクロージャーに関し、
 @ 平成四年十二月に発表された金融制度調査会・金融機関のディスクロージャーに関する作業部会中間報告「金融機関の資産の健全性に関する情報開示について」においては、各金融機関が抱える不良債権の総額についての開示が必要であることを論じ、具体的な開示基準等についても記述している。不良債権のディスクロージャーについては、金融制度調査会を諮問機関に置く大蔵省の意図が反映されていると考えられるが、この点に関する見解、また不良債権の開示のあり方に対する考え方を明らかにされたい。
 A 現在、金融機関が抱える不良債権のディスクロージャーは、全国銀行協会連合会による統一開示基準に基づき実施されており、いわゆる業界の自主基準に基づいている。金融システムの安定化が喫緊の課題とされ、また住専処理への一般財政資金の投入を含む法案が提出されている状況下では、不良債権のディスクロージャーの必要性・重要性は以前にも増して高まっていると言える。金融行政の透明性を高め、市場規律を生かしていくためにも、ディスクロージャーを法的規制によって義務付けることは有力な対応策と考えられるが、この点につき、現時点で実施されていない理由及び今後の実施可能性等に対する考え方を明らかにされたい。
 B 現在、地方銀行・第二地方銀行、協同組織金融機関については、都市銀行と同一水準での不良債権のディスクロージャーが実施されていない。またノンバンクが抱える不良債権については、実態の概要すら明確でないのが現状である。全ての金融機関に対して同一水準の不良債権のディスクロージャーが必要ではないか。また今後、ディスクロージャーを法的規制によって義務付ける際には、これらの金融機関をも対象に含むべきであると考えられるが、これらの点につき見解を明らかにされたい。
二 我が国の銀行法をはじめとする金融関係業法においては、会計帳簿等における虚偽の記載、あるいは行政への虚偽の報告を行った場合の罰則は、五十万円以下の罰金であり、法人等に対しても同様である。また、ディスクロージャーに関連する罰則は、取締役等につき百万円以下の過料であり、信用金庫・信用組合については公告義務がないことから罰則規定はない。商法において、貸借対照表等の不実記載等に対する罰則は取締役等につき百万円以下の過料、証券取引法において、重要な事項に係る虚偽の有価証券報告書提出に対する罰則は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金又は併科、法人に対しては三億円以下の罰金となっている。このような金融機関による虚偽の報告等に対する現行の罰則規定に関し、特に法人への罰金が低く、犯罪抑止の効力に欠けるとする意見がある。また、例えば米国の連邦刑法においては、虚偽記載に対する罰則は、百万ドル以下の罰金若しくは三十年以下の懲役又は併科となっており、我が国の刑罰が著しく軽いとの指摘もある。今後ますます重要視されるであろう金融犯罪への対応をも考慮に入れて、罰則を強化すべきであるとする見解があるが、これらの点につき、どのように認識しているか。
三 昨年三月の政府の規制緩和推進計画に基づき、我が国の金融・資本市場を巡る諸規制も徐々に撤廃あるいは緩和の方向にある。グローバル・スタンダードに合致した、更なる金融・資本市場の整備が求められるが、それとともに、いわゆるデノミを実施することにより先進国通貨の通用力をそろえることが、特にアジア地域での円の国際化に効果的であるとする意見がある。デノミの実施、円の国際化、及び両者の因果関係等に関する政府の見解を明らかにされたい。

 右質問する。





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