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平成八年六月十八日提出
質問第三四号

地対財特法失効後の同和対策にかかわる方針に関する質問主意書

提出者  小森(注)邦




地対財特法失効後の同和対策にかかわる方針に関する質問主意書


 一九九七年三月三十一日をもって地対財特法は失効する。しかし、さきの地対協「意見具申」においても「同和問題の解決に向けた今後の主要な課題は、依然として存在している差別意識の解消、人権侵害による被害の救済等の対応、教育、就労、産業等の面でなお存在している較差の是正、差別意識を生む新たな要因を克服するための施策の適正化であると考えられる。これらの課題については、その背景に関して十分な分析を行い、適切な施策が講じられる必要がある」と指摘している。
 第百三十六回国会の終盤の段階において与党人権と差別問題に関するプロジェクトチームの合意事項も明らかになり、さきの地対協「意見具申」の内容を踏まえて、政府は今後どのような方針に立たれるか以下の点について明らかにしていただきたい。

一 地対協「意見具申」が橋本首相に提出された翌日の『朝日新聞』の記事によると「これで法的措置実現の土俵ができた。特に、差別解消を目的とした教育・啓発の推進面での必要性を強調したい。『部落解放基本法』を推進する足がかりとして、今後の与党プロジェクトチームの審議に対する働きかけを強めていきたい」(部落解放同盟中央本部)と高く評価している。
  またもう一つの民間運動団体でも「人権擁護制度を抜本的に見直した人権侵害救済制度の確立や、人権教育・啓発を積極的に推進できる実施体制の整備について言及したことを高く評価する。『人権基本法』と関連法の制定を示唆していると思われるからだ」(全国自由同和会)となっている。民間運動団体の期待の大きさを理解することができる。
  民間運動団体の予測しているとおり、六月五日となって、与党人権と差別問題に関するプロジェクトチームはその合意書の一項において「教育・啓発の推進に関する法的措置」について「検討する」としている。
  政府はこの「検討する」の文言をどう受け止め、それへの「法的措置」をどのように進めようとしているのかお尋ねしたい。
二 政府は再三にわたる国会での答弁において、地対協「意見具申」と与党人権と差別問題プロジェクトチームの検討の結果とを見て、政府の最終的な方針を決めるとの態度を明らかにしている。「人権侵害による被害の救済に関する法的措置」について、「新たな制度について検討する」と与党三党は合意している。
  同和問題の解決は「焦眉の急」(同対審答申)であり、地対協「意見具申」と与党三党の合意を踏まえて、速やかに法的措置への作業にかかるべきであると思われる。
  与党三党は勿論のこと、最大野党・新進党も、「今国会において基本法の制定」(基本法制定要求中央実行委員会)を呼びか けている各種集会に激励と連帯の挨拶に出席していることを考えて、速やかに取り組まれることを望みたい。
  ついては、同和対策のための具体的な法律である「地対財特法」の失効までに、「人権侵害による被害の救済に関する法的措置」を政府としては実現する方針なのかお尋ねしたい。
三 与党三党の合意の最後の項目にある「地域改善対策特定事業に関する法的措置」については、地対協「意見具申」がいう「一般行政への円滑な移行」を前提とするものか、民間運動団体のいう基本法もしくは基本法的なものか、あるいは地対財特法のような特別の性格をもつ「法的措置」なのか、関係者の間で必ずしも認識が一致していないように見える。この際、政府は与党三党の合意している「地域改善対策特定事業に関する法的措置」とはいずれのパターンに属するものと考えているか。
  来年度の予算編成のこともあり、いずれのパターンであろうとも「法的措置」への準備作業は急がねばならないと考えられるが、いつ頃をメドとされているか伺いたい。
  なお六月十四日、与党三党の取り組みに加えて、民間運動側の主張しているものとほぼ同主旨の同和対策基本法案が最大野党・新進党から提案されている。政府はこのような与・野党の取り組みをはっきりと認識し、以上三項目の質問に焦点をたがうことなく答弁をお願いしたい。

 右質問する。





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