衆議院

メインへスキップ



質問本文情報

経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
平成九年四月十八日提出
質問第一六号

苫田ダム建設事業に関する質問主意書

提出者  秋葉忠利




苫田ダム建設事業に関する質問主意書


 平成八年十二月十六日に提出した「質問第四号苫田ダム建設事業に関する質問主意書」に対し、政府から平成九年一月二十八日付で内閣衆質一三九第四号の答弁書(以下「答弁第四号」という)が寄せられ、その内容を精査したところ答弁内容に不明瞭な点があった。よって再度以下の質問をするので、政府の誠実な答弁を要求する。

一 議事内容の概要の公表について
  議事内容の公表は今回の事業評価方策の試行の目的である事業評価の一層の透明性及び客観性の確保に関して極めて重要な要素である。しかし、「答弁第四号」にある、公表されている苫田ダム建設事業審議委員会の「議事要旨」を見たが、議事の実態は全く伺い知ることが出来ず、「議事要旨」の公表では、事業評価の透明性及び客観性の確保にはならない。また、審議委員会において、地域の意見を「的確に聴取」したか、対象事業の目的、内容等について「十分な審議」を行ったかを判断することも出来ない。苫田ダム建設事業審議委員会の詳細な議事録の内容と同委員会及び同委員会委員に配布した全資料の内容とを明らかにされたい。出来ないというのであれば、その理由を明らかにされたい。
二 「答弁第四号」では、苫田ダム建設事業審議委員会で扱った岡山大学の作成した見解(苫田ダム計画に関する科学技術的評価)について答弁が不十分であるので、再度質問する。
 1 誰がいつ、誰に対して、どのような権限に基づいて、どのような形で依頼するに至ったのか、その経緯を明らかにされたい。
 2 前記の科学技術的評価は、誰が、いつ、どのような資料に基づき、どのような調査をしたものなのか、具体的に明らかにされたい。なお、科学技術的評価の作成に用いた全資料の内容を明らかにされたい。
 3 前記科学技術的評価の作成につき、建設省及び審議委員会からの支出はないとの回答であるが、かかる重要資料の作成につき、費用負担は、一般的にどうなっているのか、さらに岡山大学については、何故無償でなされたのか、調査の上、明らかにされたい。
三 岡山県による協力感謝金の交付について
  協力感謝金の交付は、公共用地取得に伴う損失補償要綱に違反とならないか、再度質問する。違反しないというのであれば、その理由を明らかにされたい。
四 苫田ダム建設に伴う水没地権者のダム建設同意書の提出年月日とその時の提出者数を明らかにせよ。
五 「答弁第四号」では、苫田ダム建設事業関連費用についての答弁は不十分である。
 1 苫田ダムが建設省所管になった以降の建設事業関連費の年度ごとの工事費の支出細目別支出額と工事諸費の支出細目別支出額を明らかにせよ。
 2 平成二年の苫田ダム基本計画変更後の建設に要する費用の概算額約一三五〇億円と変更前の建設に要する費用の概算額約八八〇億円の積算根拠を費目別に明らかにせよ。
 3 苫田ダム完成に至るまでの建設に要する費用の概算額とその積算根拠を費目別に示せ。
六 「答弁第四号」では、苫田ダムによる洪水調節効果がもたらす年間当たりの便益についての算出方法は示されたが、具体的数値を示せ。また、苫田ダム管理に要する費用について、現時点では未定と答えているが、管理費用は当然、算出されておくべきものと考えられるが、何故に未定のまま放置しておくのか。
七 苫田ダム建設事業審議委員会の答申は、II審議委員会の意見、1において、「現時点で苫田ダムの建設の是非にまで溯って議論を行うことは適切でないと考える」と記述している。
  苫田ダム建設事業は、事業計画作成後、長期間が経過し、社会経済情勢の変化により事業評価が必要として、評価システムの試行対象とされ、当該審議委員会の審議時点における事業の目的、内容等の妥当性につき審議されるに至ったことは答弁により明らかになっているが、これと、前記の答申との間には大きな矛盾があるが、見解を明らかにされたい。
八 審議委員会委員の「学識経験のある者については、当該事業に関し、地域の意見を的確に反映させるのに適当な者であること」とあるが、
 1 ダム等建設事業審議委員となる「学識経験者」とは、具体的に、何についての学識経験者なのか。
 2 河川行政、河川管理、ダム等建設事業等につき全く、知識経験をもたなくとも、審議委員会の学識経験者委員になり得るのか。
 3 学識経験者委員は、その地域の実情について熟知している必要はないのか。
 4 もし前2項3項であってもよいというなら、その理由を明らかにせよ。
九 苫田ダム建設事業は、昭和三二年に計画が知られて以来、奥津町あげての反対運動が続き、ダム建設を強引に進める国、県の町への圧迫のもとに町政は極度に混乱し、度々マスコミにも取り上げられ、全国的に注目を集めたところである。町自体は圧迫に耐え兼ねダム容認に転じたとはいえ、ダム反対の運動はいささかも衰えを見せていない。
  かかる苫田ダム事業の審議委員会の審議において、設置、運営要領7に示す「地域住民からの意見聴取等」が皆無であったことを建設省として「十分な審議」がされたと考えられるかどうか、「審議委員会の運営は、審議委員会の判断」として逃げるのでなしに、建設省の見解を示されたい。
十 「答弁第四号」では、「ダム等事業評価方策試行」の目的は、個々のダム等事業について、当該事業の目的、内容等を審議するダム等事業審議委員会を設置し、地域の意見を的確に聴取することを目的とするとあり、「的確に聴取」出来たか否かの判断は建設省においてすると答弁しているが、何に基づいて「的確に聴取」出来たか否かを判断するのか、具体的に明確にされたい。

 右質問する。





経過へ | 質問本文(PDF)へ | 答弁本文(HTML)へ | 答弁本文(PDF)へ
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.