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平成九年十月三十日提出
質問第八号

奥只見発電所増設工事等に関する質問主意書

提出者  石毛^子




奥只見発電所増設工事等に関する質問主意書


 阪神淡路大震災による高速道等公共施設の倒壊の事実は、わが国の建造物の設計基準の見直しをせまるものとなり、特に安全性についての見直しが各省により行われてきたところである。ところで、既設のダム事業についても、同様に安全性について疑問が生じているところである。そこで、以下のとおり質問する。

一 只見川・阿賀野川の既設ダムについて
 1 只見川および只見川合流地点から新潟市の日本海までの阿賀野川に設置されているダムの名前と、ダム設置管理者名、目的、その立地点、各貯水量をダム別に示されたい。
 2 奥只見ダムが決壊した場合の被害予測は行っているのか。行っていない場合にはその理由を示されたい。また、予測している場合には、その被害予測の内容を記されたい。特に、奥只見ダムが満水時に決壊したと想定した場合、新潟市までの間にあるダムが被る被害予測と、流域で想定される被害内容、ならびに、決壊した奥只見ダムからの流出水が各ダムに到達する時間等を予測している場合には、これも併せて示されたい。
二 既設ダムの再工事について
 1 国内で、満水の既設ダムに堤体部地下を掘削したような事例について承知しているか。それはどこのダムで、どのような事業か示されたい。
 2 既設ダムの地下部掘削行為について、その安全性は現行法でどのような審査が行われるのか。根拠法および審査基準を示されたい。
 3 奥只見ダムで一九九四年から実施されている堤体部地下掘削工事は、河川管理上の安全性について審査を行ったのか。行った場合にはその内容を示されたい。行っていない場合にはその理由を示されたい。
三 奥只見ダム増設工事について
 1 奥只見ダム増設関連工事において、ダム堤体部地下のトンネル掘削工事現場で一九九五年七月に二回、一九九七年七月までに数回の落盤事故が二箇所で発生したと聞いているが、事実か。事実とすれば、その事故の起こった年月日と地点、内容について示されたい。また、事故の報告を受けているとすれば、それはいつ、誰が、誰から報告を受けたのかも併せて示されたい。
 2 1の落盤事故の原因、およびなされた対策について具体的に示されたい。
 3 このような事故発生が、ダム崩壊につながる危険性について、事業者および河川管理者は検討しているか。検討していない場合にはその理由を、検討している場合にはその検討内容につき示されたい。また、1の事故発生によってもダムは安全であるという判断は、どのような理由に拠ったのかも併せて示されたい。
 4 奥只見ダムの本体建設当時における地盤災害についての記録があると聞いているが、事実か。事実とすればそれはいつ、どのような原因で、どんな事故が発生したのかを示されたい。
 5 わが国において既設ダム堤体部を掘削し、かつ堤体に穴開け、発電機を設置するような事例は過去に存在したのか。存在する場合には、ダムの名称と設置した年月日を示されたい。
 6 奥只見ダム本体建設時に行った構造計算時(ダムの安全性の確保)に、現在同ダムで実施されているような、新たな堤体掘削、大規模な空洞設置、およびダム本体の穴開けを想定していたのか。していた場合には、その想定内容を示されたい。
 7 そうした追加工事が、ダム本体のおよびダム堤体地下部の安全性を脅かさないとする、科学的な根拠はあるのか。あるとすれば、どのような根拠かを示されたい。このような工事で、ダム崩壊の危険性がないとの報告があるとすれば、どのようにしてダム工事における安全性を確保したのかを示されたい。
 8 奥只見ダムの増設工事において発生した一九九五年七月の落盤(トンネル天井部の崩落)事故は、七月十五日、十七日の二回にわたり幅約八メートル、高さ七メートル、長さ二十メートルに渡って天井部が落下したと聞いているが事実か。また、その原因はトンネル内部のハンレイ岩と粘板岩に挟まれた蛇紋岩部分が、そっくり落盤したと聞いているが事実か。
   当該落盤事故現場では、ハンレイ岩と蛇紋岩の接地点天井部で毎分三十リットル程度の湧水があり、付近の天井部にはヘアクラック沿いに遊離石灰の融出が確認されていたと聞いているが事実か。また、この事故が起こった時期は、奥只見ダムが満水時期であり、地下水圧も相当高く、その圧力で落盤が誘発されたと聞いているが、事実か。加えて、当該落盤事故の報告を受けたとすれば、いつ、誰が、誰から報告を受けたのかを示されたい。
 9 8で述べた崩落現場の復旧はいつ、どのような方法で行ったのか。復旧を行った理由についても併せて示されたい。当該復旧では、崩落現場を放置したままでは、何か危険性があったのか。
   その想定された危険性の内容について報告を受けているか。受けているとすれば、それはいつ、誰が、誰から報告を受けたのかを示されたい。また崩落現場を放置したままにしておいた場合に想定された危険性とはどのようなものであるかについても示されたい。
 10 8および9で述べた、想定された危険性については、誰が判断し、その復旧許可をどのような根拠法に基づいて、いつ誰に対して行ったのかを示されたい。
 11 奥只見ダム満水時に、新たな発電機格納地下空間部分にかかる圧力はどの程度になるのかを示されたい。
四 ダム災害について
 1 世界各地で発生したダム災害について、どのようなものが発生していると認識しているか。ダム災害の内容と、その評価について示されたい。
 2 国内においてダムが崩壊するような災害は、生ずることがあるのか。ないとすればその理由を、あるとすれば、災害の内容を示されたい。

 右質問する。





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