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平成十年八月十二日提出
質問第五号

PCB使用電気機器の保管状況並びに汚染防止対策の早急な実施に関する質問主意書

提出者  大野由利子




PCB使用電気機器の保管状況並びに汚染防止対策の早急な実施に関する質問主意書


 PCB(ポリ塩化ビフェニール)は、優れた電気絶縁性と化学安定性があり、トランスやコンデンサをはじめとする電気機器などに広く使用されたが一九七二年に生産・輸入・新規使用が全面的に禁止され、四半世紀が経過した現在も全国の事業者で大量に保管されている。しかし、NTTやJR、電力会社、自衛隊などの大量保管者はともかく、中小事業所などでは保管されているはずのPCB使用電気機器(以下、PCB廃棄物という)が紛失や行方不明、さらには保管機器の劣化に伴うPCBの漏出の危険が指摘されるなど、環境中への放出による環境汚染が懸念されている。
 以上のような背景から、次の質問をする。

一 政府はこれまで八六年、九三年にPCB保管実態調査を行ってきたが、現在、PCB廃棄物を保管している全ての事業所名、所在地、個数、そしてPCBの量を明らかにされたい。
二 行政・地域・住民による有害化学物質への監視の網をかぶせ、環境への放出を食い止める対策が必要と考える。そのために、PCB廃棄物を保管している全ての事業所名、所在地、個数、そしてPCBの量を都道府県で公表し、閲覧できるようにすべきではないか。
三 PCB廃棄物は七四年から保管が義務づけられている。長期化する不況によって事業所の縮小や倒産が急増しているが、PCB廃棄物を保管していた事業所で倒産または不明になった事業者は何社あるか、また、これまでPCB廃棄物を不明・紛失した個数、PCBの量を明らかにされたい。また、その後の追跡調査をどのように行っているのか伺いたい。
四 政府は、PCB廃棄物を保管していた事業所で保管場所が阪神大震災によって火災や倒壊等の被害に遭った事業所がどれだけあったのか把握されているか、把握されていたらその件数を明らかにされたい。そのうち、PCB廃棄物を不明・紛失した事業所数およびPCB廃棄物の個数、量を明らかにされたい。
五 政府はPCB廃棄物の不明・紛失が急増していることに危機意識を持って、早急に厳格な全国の保管実態調査を行うべきと考えるがどうか。調査の実施にあたっては、従来のような調査表をPCB廃棄物保管事業所に送付するといった調査方法を改め、直接厚生省または自治体関係者が事業所を訪問し保管状況を確認する調査方法を実施すべきであると考えるがどうか。
六 PCBには毒性が強く欧米ではダイオキシン類に分類されている「コプラナPCB」が含まれ、健康への影響が懸念されているだけに、早急な処理が迫られている。水質汚濁防止法でPCB処理施設を特定処理施設に指定し、さらに「改正廃棄物処理法施行令」が昨年十二月に施行され、それに伴うPCBの化学処理法が六月十七日から適用されたことにより、法的制度が整えられた。これにより電力会社やNTT、JRなどPCBを大量に保管している事業所は処理の準備・検討に入っているが、深刻なのはむしろ中小の事業所である。PCB廃棄物の紛失や事業所の所在不明の多くは中小事業所である。しかし、現在もPCBを保管している中小事業所には、独自処理する施設の建設は資金的に厳しい現状にある。これらの中小事業所の保管しているPCB廃棄物の回収と処理についてのシステムをつくる必要があると思うがどうか、政府はどのように対応しようとしているのか、伺いたい。
七 カナダの電力会社が開発したPCBの化学的無害化処理技術は、可搬式であるためPCB保管・貯蔵の現場で処理が可能なシステムという。このような処理技術を導入してでも、全国の中小事業所が保管しているPCB廃棄物を早急に処理することが今求められていると考える。不法投棄、紛失を防ぐ為に、中小の事業所への支援策が必要ではないか、政府の責任ある支援策を伺いたい。
八 PCB一グラムの毒性は、2・3・7・8 ― TCDD(TCDDはテトラ・クロロ・ダイベンゾ・ダイオキシンの略)のどれだけに相当するのか明らかにされたい。また、七四年に保管が義務づけられた時点でのPCB保管量は、2・3・7・8 ― TCDDに換算すると、どれぐらいになるのか、伺いたい。さらに、不明・紛失されたPCB廃棄物は、2・3・7・8 ― TCDDに換算すればどれだけになるのか、合わせて伺いたい。

 右質問する。



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