衆議院

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平成十年八月十七日提出
質問第六号

建設業退職金共済制度の運営状況等に関する質問主意書

提出者  鍵田節哉




建設業退職金共済制度の運営状況等に関する質問主意書


 建設業退職金共済制度は、建設業の事業主が勤労者退職金共済機構(以下、機構)と退職金共済契約を結んで共済契約者となり、建設現場で働く労働者を被共済者として、機構が交付する共済手帳に労働者が働いた日数に応じて共済証紙を貼り、証紙数に応じ機構が直接労働者に退職金を支払うものである。しかし、今日、証紙の購入貼付の過程における様々な問題が指摘され、特に公共工事においては、工事費に証紙代が含まれていながら、必ずしも証紙の適正な購入がなされていないことが明らかになっている。本制度は、いわば国が作った建設労働者のための退職金制度として、建設現場で働く者の福祉の向上のために極めて重要な意味を持つものであり、証紙の適正貼付、制度の普及促進、事務執行の適正化を願う立場から、以下の質問を行う。

一 証紙の適正貼付等制度の適正運用について
 1 本制度の意義と今日までの評価について簡潔に答えられたい。
 2 機構は共済証紙購入の標準的な目安を土木工事については請負代金の千分の三・五、建築工事については千分の二・五、設備工事については据付工事費の千分の二・五としているが、これらの数字の根拠を明らかにされたい。
 3 経営事項審査の建築工事、土木一式工事の過去三年間の各上位二十社について、全国の公共工事の受注総額と、機構への掛金収納額の内訳を明らかにされたい。
 4 過去五年間の国の直轄事業において(十億円以上)、証紙の購入、貼付状況、先の機構の目安額との差について、各事業ごとに明らかにされたい。
   また、工事の請負業者の中で、証紙が一切購入されていないものがあれば、その工事名と請負業者名、並びに契約時に当該業者を承認した理由を明らかにされたい。
 5 建退共の証紙購入費の積算を決定した昭和四十年以降、国、公団、地方公共団体まで含めた全国の公共工事の投資額から考えて、現在までの証紙購入費の積算額は推計でどれぐらいにのぼるとみられるか。
 6 建設省大臣官房の土木工事関係については技術調査室、建築関係については営繕計画課で定期的に積算基準を改定するが、それらの根拠となる直近の全国千件の調査個票から、建退共制度掛金を抜き出し、総額を明らかにされたい。
   また、建退共制度掛金の工事費に占める割合を工事規模、工種ごとに明らかにされたい。
 7 建設業者の証紙購入費については証紙貼付時に損金に算入されることになると承知しているが、建退共の証紙の購入・保管に関し、国税当局が建設業者に対し、過去五年間に申告漏れなどを指摘した例があれば明らかにされたい。
 8 機構が昭和五十七年十月から昭和五十八年三月にかけて行った共済契約の履行状況の実態調査(一般調査、建設作業員の実態調査、特別調査)の結果について明らかにされたい。また、その調査に基づき判明した問題点の分析と、その結果、どのように制度が改善されたかを示されたい。
 9 建設省は本年七月十六日付で官房長名で各地方建設局長あてに、「建設業退職金共済制度の普及徹底に関する措置について」の一部改正で、掛金収納書の提出を「工事契約後一箇月以内」に「工事完成時」を加えたが、その理由を明らかにされたい。
   また、従前は、各地方建設局ごとの指導内容に差異があったのかどうか。
10 労働者が手帳の交付あるいは証紙の貼付を要求したことにより不利益な取扱いを受けないよう、労働省・建設省は建設業者に対して、どのような指導を行っているか。
   また、実際に不利益な取扱いがなされた場合はどのように労働者は救済されるのか。
11 中小企業退職金共済法施行規則第六十六条によれば、元請負人は下請負人ごとの共済証紙の受払い状況を明らかにした帳簿を備え付けておかなければならないとされ、同六十七条によれば機構は必要があると認めるときは、元請負人に対し、その事務の処理に関し報告又は文書の提出を求めることができるとされている。本規則により機構が当該帳簿の提出を求めた事例が過去三年間に何件あるかを明らかにされたい。
12 機構においては、本年度、証紙の適正貼付等において問題点が指摘されていることに鑑み、「建退共制度調査研究専門委員会」を設置し、証紙の購入、貼付実態等の調査をされることと承知している。
   本調査において、公共工事における証紙の流用等が認められた場合、どのような対応をとるおつもりかを明らかにされたい。
   また、本調査の結果によっては、建退共制度の抜本的な改革も検討されるおつもりかどうか。
13 公共工事において、建設業者の中には、購入した証紙の処分に困り焼却処分した事例なども報道されている。機構に納められた証紙代金のうち、実際には貼付されなかった証紙の代金について、機構はどのような経理処理を行っているのか。
   また、発行された証紙枚数のうち、実際に退職金の支払いに結びつく証紙の枚数について、概ねどのような比率と考えているか。
14 平成五年度から、資産の運用について社債、公社債投信が加えられたと承知している。今日までの社債、公社債投信の運用委託先を明らかにされたい。また、取引社債の中で建設業者があれば銘柄と取引額を明らかにされたい。
二 制度の普及促進について
 1 平成八年度の事業所統計調査報告によると従業員数当たりの被共済者数の割合は全国で四五・一%と半数に満たず、制度の一層の普及促進が必要である。
   機構では制度への加入が公共事業の受注に非常に有利ということをPRの材料にしているが、実際には工事の受注の際、制度の加入は経営事項審査のCその他の審査項目(社会性等)の労働福祉の状況の中の七・五点に過ぎず、Cのウエイトも〇・一五であり、極めて位置づけが低い。
   また、制度の加入の審査も元請業者のみであり、下請業者についての審査は行われない。
   制度の普及促進のため、公共事業の受注に関し、制度加入業者に更に優位性を認める必要性はないか。
 2 1とは別に制度の普及促進の具体策として現在検討している事項があれば明らかにされたい。

 右質問する。



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