衆議院

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昭和二十二年十一月十四日
答弁第一〇号
(質問の 一〇)

  内閣衆甲第一〇七号
     昭和二十二年十一月十四日
内閣総理大臣 片山 哲

         衆議院議長 松岡駒吉 殿

衆議院議員野坂參三君提出日本銀行の仮拂金その他に関する質問に対し別紙答弁書を送付する。





一、日本銀行の仮拂金勘定は、日本銀行の勘定公表面では、雜勘定の中に含めて発表されているが、之はその名の通り処理未決済の支拂勘定を整理しているもので、日本銀行資産総体から見れば大した金額ではない。即ち本年一月以降各月末における本勘定の残高は一月一一、〇五七百万円、二月六七一百万円、三月八二六百万円、四月一、〇二四百万円、五月一、一四三百万円、六月一、三一一百万円、七月一、四七〇百万円、八月一、五四九百万円、九月一、六八六百万円となつているが、内主なるものは、次の二つで、本仮拂金勘定の殆んど大部分を占めており、これは孰れも日本銀行としては所謂通り拔け勘定で経理技術上の勘定であり、その他は全く処理未済の微々たる金額に過ぎない。尚一月末の金額が特に多額なのは、尚月末迄は、進駐軍関係諸費の立替拂金が本勘定で処理されていた爲めである。

(1) 連合軍軍票交換代金
 これは連合軍使用の円表示B式軍票が引替の爲め日本銀行へ來たものの代り金である。
(2) 國税第一封鎖預金未收分
 第一封鎖預金をもつて國庫に納入された國税等が引続き大藏大臣名義の預金として金融機関に残るため日本銀行としてはこれを未收金として取扱つたものである。

二、政府資金撒布超過とその原因

(1) 最近における政府資金対民間撒布超過額は七月六九億円、八月九一億円、九月五七億円合せて二一七億円である。
(2) その原因はこの期間において租税收入一五六億円をはじめとして公價改訂による食糧管理收入の増加(前期即ち第一四半期に対し五三億円増)運賃引上による鉄道收入の増加(前期比二二億円増)等により総額五七三億円の引上を見て、第一四半期に比し三三億円の收入増加を見たにも拘らず支拂がこれを上まわり合計七七一億円に達し、第一四半期に比して約一六六億四の大巾の増加を示したことによる。
(3) 支拂増加の原因としては人件費の増加、政府支拂の促進等の外、麦、馬鈴薯の收買期であつたこと、及び民間貿易再開の体制を整備するため交易営團等旧貿易機関の手形決済及び貿易公團に対する貸付の増加等を來したことの結果である。即ち食糧管理会計の支拂一六〇億円(前期比九九億円増)をはじめとして貿易資金七一億円(前期比四六億円増)鉄道九八億円(前期比三一億円増)等の大巾支拂を見たことによるのである。なおこの期間中の終戰処理費の支拂は一三五億円で第一四半期とほぼ同額(前期は一三一億円)にとどまつた。

三、昭和二十二年度國民所得推計総額並びにその内訳(調整項目の内訳を含む)及び國民所得の計算方法並びにその基準

 現在のような経済の変動期において、しかも諸統計資料の不備な現状においては、正確な國民所得を算出することの極めて困難である実情について充分御賢察せられたい。今後わが國経済政策の樹立運営上、國民所得の正確な調査を是非とも必要とするので、統計資料の整備、調査機構の整備を図つている次第である。
 上述のような困難な事情の下ではあるが、生産國民所得について一應の推計を行つた結果昭和二十二年度國民所得総額は概算九千億円と推定せられる。
 右の國民所得の推計は生産國民所得即ち物的方法によつて把握したもので、戰前の比較的正常な時期である昭和十年の内閣統計局の國民所得を基礎として、昭和十年における物財及び用役の生産並びに物價と昭和二十二年度のそれらとを対比し、その間の変動を考慮して推計したものである。なお物價については大体本年七八月頃の物價水準によつている。從つて今後における物價の推移と物資生産実績の成果如何によつては、前記國民所得の推定額には多少の変更を生ずるかも知れない。
 次に國民所得に関連する調整項目は、振替所得、間接税、專賣u金在庫品評價増減價償却等であるが、それらの個々の項目についてはなお精査しなければ正確を期し難いが、その総額は大体一千数百億円となるであろう。

四、昭和二十二年度資金需要(財政資金、産業資金、國民消費)並びに資金計画の総額及びその内訳(一般融資、その内訳、復金債券の内訳、直接投資の内訳)

 昭和二十二年度の國民所得等の支出のうち、財政資金については、一般会計予算総額二千六十六億円、特別会計の收支不足額五百五十一億円、合計二千六百十七億円であるから、國民所得に対する割合は二九%に当る。これに地方財政資金を考慮すれば三十二、三%を占めると認められる。又産業資金については、実質的産業資金が財政資金中に含まれているのであつて、例えば復興金融金庫等に対する政府出資、貿易資金、食糧管理特別会計の所要資金等があるが、これらを控除して考えれば産業資金は千二百五十億円程度と認められる。
 なお國民消費資金についてはインフレーションと諸統計資料不備の現状では把握することは極めて困難であつて、公表しうるような正確な計数を得ていないことは、まことに遺憾であるが、経済の不安定な現状に鑑みて已むを得ない点の存することを御了承願いたい。
 次に昭和二十二年度の資金計画については、第三四半期までの産業資金計画が決定しているだけであるが、年度全体を通じての綜合資金需給につき、現在見込んでいるところを述べると次の通りである。
 第一に資金供給即ち資金蓄積であるが、一般自由預金は千七百億円が増加の見込で、第一封鎖預金の減少見込六百三十億円を差引き、千七十億円の資金増加が予想され、これに直接投資見込五十億円を加え、供給総額は千百二十億円となる。
 次に資金需要について、第一に財政資金の資金所要額を本年度予算についてみると、先般大藏省より提出した政府及び政府機関資金綜合予定表の通り、一般会計は收支均衡し、特別会計は五百五十一億円、地方財政百一億円、復興金融金庫四百六十億円、計千百十二億円であつて、復興金融金庫を除くと六百五十二億円である。
 第二に産業資金需要は一般融資六百八十億円、復興金融金庫四百四十億円、直接投資その他百三十億円、計千二百五十億円が見込まれる。此の中復興金融金庫は政府出資による百億円を控除したもので、前述の四百六十億円と相違するのは復興金融金庫の保証融資その他を控除した復興金融債券による資金の純調達額の見込であるからである。
 從つて財政資金と産業資金を合計すると資金需要の見込は約千九百億となり、資金供給見込額千百二十億円に対し七百八十億円程度の資金不足を生ずることと予想される。しかしながら、右の資金不足額は、國民貯蓄の成果如何によつて、左右されるのであるから、貯蓄の吸收に最大の努力を拂いたいと考えている。

五、昭和二十二年度貯蓄増加の推定並びにその計画

 当初の計画によれば昭和二十二年度における自由預金の増加目標額は総額千二百億円(月間百億円)であつて、これに対し増加実績は第一四半期二八三億円(達成率九四%)第二四半期四四七億円(一四九%)であり、貯蓄増加は最近相当の成績をあげている。しかし最近の公價改訂、追加予算、産業所要資金の増大等の新事態に対して、この実績を以てしても十分でなく、貯蓄目標額を年間千七百億円程度に引上げる必要がある。第三四半期においては、農業会の供出代金の振替による貯金の増大等がみこまれるから、五五〇億円の自由預金の増加を期待している。

六、通貨増発の見込

 通貨増発の現在までの足取りは本年度第一四半期二百六億円、第二四半期二百一億円と概ね一定していたが、十月に入つてより價格改訂の影響が現れ始め、特に主食供出の促進によつてこの代金が放出される季節的関係もあり、同月中百十二億円に達し稍々増発額が大きくなつている。右のような事情のため本年末までは通貨が收縮することは望み難く、なお増発を続けて行くと思われる。
 しかしながら、第四四半期になれば特に租税收入その他の歳入も相当激増する見込であり、來年一月以降は通貨の膨脹は相当に鈍化すると認められる。なお政府としては貯蓄の増強と融資規制の機動的運営により通貨の増発は嚴に抑制する方針であり、就中貯蓄の増加に最大の努力を拂つて年末の日本銀行券の発行高は千九百二十億円程度に止めたいと考える。

七、
税目 1/3


税目 2/3


税目 3/3


八、昭和二十二年度專賣局特別会計收入
昭和二十二年度專賣局特別会計收入 2/2 昭和二十二年度專賣局特別会計收入 1/2


九、
運輸收入の予定


一〇、
運輸取扱收入表 1/2


運輸取扱收入表 2/2


一〇、昭和二十二年度通信事業收入調
昭和二十二年度通信事業收入調


十、其の一
昭和二十二年度主要物資需要部門別各期別配当表(其の一) 1/2


昭和二十二年度主要物資需要部門別各期別配当表(其の一) 2/2


十、其の二
昭和二十二年度主要物資需要部門別各期別配当表(其の二) 1/2


昭和二十二年度主要物資需要部門別各期別配当表(其の二) 2/2


十一、左記資料を以て答弁に代える。

 (1)自終戰至昭和二十二年六月輸出入統計資料
 (2)自一九四七年七月至一九四八年六月輸出先別輸出計画
 (3)自一九四七年至一九四八年六月輸入先別輸入計画

統計資料 1/24


統計資料 2/24


統計資料 3/24


統計資料 4/24


統計資料 5/24


統計資料 6/24


統計資料 7/24


統計資料 8/24


統計資料 9/24


統計資料 10/24


統計資料 11/24


統計資料 12/24


統計資料 13/24


統計資料 14/24


統計資料 15/24


統計資料 16/24


統計資料 17/24


統計資料 18/24


統計資料 19/24


統計資料 20/24


統計資料 21/24


統計資料 22/24


統計資料 23/24


統計資料 24/24


百分比表 1/4


百分比表 2/4


百分比表 3/4


百分比表 4/4


計画表 1/6


計画表 2/6


計画表 3/6


計画表 4/6


計画表 5/6


計画表 6/6


十二、貿易資金特別会計の実績並びに計画については、目下資料を作製中であり近く完成を俟つて國会に提出の予定であるから御諒承願いたい。

十三、復金の融資先について、ここに答弁することは、種々の影響を考慮して差控えることと致したい。


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