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答弁本文情報

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昭和二十三年二月二十日
答弁第二号
(質問の 二)

  内閣衆甲第一〇号
     昭和二十三年二月二十日
内閣総理大臣 片山 哲

         衆議院議長 松岡駒吉 殿

衆議院議員千賀康治君外二名提出酪農業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員千賀康治君外二名提出酪農業に関する質問に対する答弁書



一、酪農に関する行政機構は牛乳衛生に関しては厚生省、牛乳の生産取引及び加工に関しては農林省食品局、乳牛の増殖、飼料の配給等に関しては農林省畜産局が夫々所管し、その指導奬励方針については連絡を保持するように鋭意努力して來たが、その間において必ずしも充分とはいえない点もなしとは断じえないので、畜産振興五箇年計画の具体的遂行に当つては、これが円滑なる実現を図るため酪農行政の連絡緊密化についても充分考慮したいと思う。

二、牛乳及び乳製品の公定價格は、昭和九、十及び十一年の三箇年平均價格を基準とし、パリテイ計算法に基き決定しているが、今日までは飼料及び生産資材の確保がこれに伴わない憾みがあるので牛乳生産者より價格改訂を要求されているが、價格改訂は他物價との均衡及び綜合的物價体系の維持等にも関連するので、現在はこれ等生産用資材を確保すべく万全の努力を傾倒している。

三、供出牛乳にリンクする飼料の配給が遅延していることは、甚だ遺憾であるが現在の食糧事情から麦そのものでの配給が困難な実情にあり、その他の飼料で必ずこれを配給する方針である。

四、乳牛の飼料については從來とも重点的に考え配給を行つているが、統制数量が僅少であるため所要量を充しえない事情にある。
  今後公團の設置輸入の促進及び國内飼料資源の合理的利用等に努めその目的を達したい。

五、二十三年春作において禾本科飼料作物一〇万町歩、荳科肥飼料作物一七万六千町歩に対し肥料一万四千瓲を割当てその増産を講じつつあり酪農家の積極的協力を期待したい。
  但し穀類及び藷類等供出の対象となる主要食糧については、食糧事情の現状から予め作付割当を行うことが困難であるので飼料の自家保有の問題として十分考慮したい。

六、牛乳生産並びに輸送に必要な各種生産用資材の確保は、牛乳の増産及び價格維持のため緊要なのであるが、現下の資材需給状態からなかなか困難であつて、昨秋発表のあつた緊急食糧対策に基き、自轉車、タイヤ、チユーブ、地下足袋、ゴム長等を報奬物資として配給することとなつたが目下遅配状態である。
  なおこれ等とは別途に乳牛舎補修用資材及びサイロー用資材の配給確保に努めつつあるが、その配給量は需要量に比し極めて低位であつて誠に遺憾の状態であるが今後とも十分に努力する方針である。




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