答弁本文情報
昭和二十三年十一月二十日答弁第三号
(質問の 三)
内閣衆甲第五五号
昭和二十三年十一月二十日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 松岡駒吉 殿
衆議院議員木村榮君提出松江地方裁判所の不法処置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員木村榮君提出松江地方裁判所の不法処置に関する質問に対する答弁書
被告人平井英雄外九名に対する騒擾及び建造物侵入被告事件の勾留理由開示手続の法廷は、昭和二十三年十月三十日松江地方裁判所において開かれたのであるが、この法廷において、被告人高地傳次※(注)を除くその余の被告人等は、再三にわたり裁判官の制止を聞かず、革命歌の高唱、その他の怒号喧燥の行爲を反覆し、その結果裁判官から被告人高地傳次※(注)を除くその余の被告人全員に対し退廷を命ずるに至つたものである。
この裁判官の退廷命令の執行にあたつて、執行を命ぜられた警察官が、人違いのため被告人高地傳次※(注)に退廷を求めようとした事実があるが、同人がこれを拒否したため、警察官においてその人違いを認め、直ちにその要求を撤回した。
質問主意書記載のごとく被告人高地傳次※(注)を法廷外に連れ出した事実はない。
なお、被告人高地傳次※(注)に対しては、同日引き続き右の法廷において、裁判官から勾留理由の開示手続を完了しているからその旨申添える。