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答弁本文情報

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昭和二十五年二月二十八日受領
答弁第四五号
(質問の 四五)

  内閣衆質第三二号
     昭和二十五年二月二十八日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員浦口鉄男君提出自治体警察に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員浦口鉄男君提出自治体警察に関する質問に対する答弁書



 警察制度改正以来、政府は、新警察制度の精神に則り、鋭意その運営の萬全を期しているが、なお、不充分の点のあることは遺憾である。今後とも警察機能の発揮、警察職員の志気の高揚については、一層の努力を拂いたい。
 なお、御例示の点については、左の通り考える。

一 制度切替当時自治体警察に転属した警察吏員の恩給については、警察法附則第七條により、国家地方警察の警察官と同様に支給される建前となつており、その退職金については、幾多の経緯があつたが、最近に至つて、原則として、国家地方警察の警察官と同様に支給され国庫で負担することが必要と認められる部分については、国庫でこれを負担することになつたので、今後は問題が起らないと思う。

二 現行法上、自治体警察の警察吏員に対する公傷、殉職等に関する給與について、国家でこれを負担することはできないし、政府として、目下これについて特別の基本法を設ける計画はないが、今後研究すすることとしたい。

三 国家地方警察と自治体警察との相互援助関係については、現行法では、国家地方警察が自治体警察へ応援した場合についてのみ、その職権行使を認めているが、その他の場合については、法律上明文の規定がない。この応援の場合の自治体警察職員の公傷殉職についての保障に関しては、二、により了承されたい。援助費用については、国家地方警察が自治体警察に応援した場合の費用は事実上国費で支弁しており、自治体相互の応援については、その相互の協議によつて定められるものと考える。将来は、相互に応援し得ることとし、その費用の負担についても明確な法的根拠をもつようにしたいと思う。

四 警察制度切替の際、従来警察の用に供していた都道府県有財産については、警察法附則第九條に基き、国家地方警察に必要な部分は国家地方警察がこれを使用し、国家地方警察に不必要で、自治体警察に必要なものは、無償で自治体警察に使用させ、自治体警察が独立の庁舎を必要とするものについては、国庫補助による初度調弁費で、その新築が認められている。従つて、全体的に見れば、必ずしも自治体警察の側のみが手狭であるということはないわけであるが、現下の財政事情等から、国家地方警察も自治体警察もその庁舎について充分の整備状況にあると言えないことは事実である。急速に自治体警察の庁舎を独立して整備することは、目下政府としては考えていない。

五 警察官の待遇改善については、その職務の内容と責任の重要性とにかんがみその改善に努力した結果、俸給において一般の国家公務員よりも有利な特別俸給表の適用を受けることが認められ、又警察事務に関する特殊技能の保持者に対しては、特殊勤務手当の制度を設ける等相当改善されたが、警察官の職務の困難性と責任の重要性の点を考えれば、いまだ充分とはいえず、今後とも国家財政上可能な限度において、その待遇の向上に努力を続けて行きたい。

六 自治体警察の警察吏員の採用については、目下のところ警視庁、大阪警視庁及び神戸市警察局の三自治体警察においては、それぞれ独自で採用試験を行い、その他の自治体警察の警察吏員については、最初巡査見習生として国家地方警察部都道府県警察学校において教養を受けた後自治体警察に採用される例となつているため、人事院において国家地方警察の警察官を志望する者とともに、全国的に一括して採用試験を行つている。
 国警本部としては、体格、智能、人物とも優秀な人材を登用できるよう採用試験の実施につき、人事院に協力する外独自で広報活動を行い、優秀な人材の吸引に努力している。
 昇任については試験を行い、成績本位で昇任せしめる方途を講じている。
 なお、警察官の待遇改善が人材登用の重大要素であることにかんがみ、この点も特に努力したい。

 右答弁する。




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