衆議院

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昭和二十五年三月十日受領
答弁第六〇号
(質問の 六〇)

  内閣衆質第四四号
     昭和二十五年三月十日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員伊(注)憲一君提出凍結資産の拂下げに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員伊(注)憲一君提出凍結資産の拂下げに関する質問に対する答弁書



一 制限会社令(会社の解散制限等に関する勅令、昭和二十年勅令第六百五十七号)第二條の規定により、制限会社はその資産の讓渡については相手方のいかんを問わず大蔵大臣の許可を要するものと定められていた。
  この制限は連合国軍総司令部の覚書に基くものであり、大蔵大臣が許可をなすにあたつては、事前に司令部の承認を要するものとせられていた。
  制限会社令は財閥解体の予備的措置として制限会社の財産が恣意的に処分されることを制限したものであり、財閥解体の措置についてさしつかえないものは連合国軍総司令部においてもその讓渡を許可している次第である。
  本質問にかかる件については、その資産の旧所有者たる日立製作所が制限会社であり、従つて制限会社令の規定に基いて大蔵大臣に対してその讓渡の許可申請をした。
  大蔵大臣はこの申請について司令部に申請書を提出し、その承認を受けたので、本件讓渡申請を許可した次第である。

二 本件申請書は昭和二十一年十月二十三日附で大蔵大臣に提出せられ、大蔵大臣は総司令部より昭和二十二年二月十七日附覚書により承認を受け、同日附で許可書を申請者に交付した次第である。
  なお、本件についての申請書及び許可書の写並びに本件申請当時における制限会社令の規定は別紙の通りである。


(別紙)
     昭和二十年大蔵省令第九十七号第三條ノ規定ニ依ル土地売却申請書
 昭和二十一年十月二十三日 
  東京都麹町区丸ノ内弐丁目拾弍番地
  株式会社日立製作所
(大正九年二月一日設立)
  電気機械器具製造業
  公称資本金 七    億    円
  拂込資本金 四億参千七百五拾万円
  取締役社長 小 (注) 浪 (注)
  本社連絡先 管財部管財課 岩(注) (注)
  電話丸ノ内(23)代表二三六一(9)二五九一(9)
    大蔵大臣 石橋湛山殿 
 左記土地売却許可相成度及申請候也 

一、売却土地
 (イ)位   置  東京都品川区五反田二丁目三六五番地
          宅地一、一〇六坪七九
 (ロ)価   格  取得価格 一五九、八一一円
            売却価格 四〇〇、〇〇〇円
二、売却先 五反田商店街復興会(会長大沢善次(注))
三、用 途 商店街
四、理 由 幣社ノ旧五反田印刷工場ノ敷地ハ戰災跡地ニシテ戰災後計画モナク放置シアルトコロ該敷地ハ復興都市計画ニ基キ商店街トシテ指定セラレタル地域ニシテ今般五反田商店街復興会ヨリ之ガ拂下ゲ方懇請アリタリ就テハ東京都再建ノ為ニモ望マシキコトニツキ之ニ応ジ讓渡セントスルモノナリ


(別紙)
理秘第二〇一号
昭和二十二年二月十七日
大蔵省理財局長

     株式会社日立製作所
      取締役社長 小 (注) 浪 (注) 殿
 昭和二十一年十月二十三日附提出の昭和二十年大蔵省令第九十七号第三條の規定に依る土地売却(五反田工場土地一、一〇六坪七九価格四〇万円)申請の件許可したから命に依り通知する。


(別紙)
    勅令第六五七号
      会社の解散の制限等に関する件

 (昭和二十年勅令第五百四十二号「ポツダム」宣言の受諾に伴
い発する命令に関する件に基く会社の解散の制限等の件)
  公布 昭和二〇・一一・二四
  改正 昭和二一・三・一六(勅令第一四三号)

第一條 資本金(出資総額、株金総額、出資総額及株金総額の合計額又は基金総額を謂う。以下同じ。)五百万円以上の会社及び大蔵大臣の指定する会社の事業の全部の讓渡又は解散に関する株主総会若は社員総会の決議又は総社員の同意は大蔵大臣の認可を受くるに非ざれば其の効力を生せず。
 前項の会社は他の法令の規定に拘らず存立時期の満了其の他定款に定めたる解散事由の発生に依りては解散せず。

第一條の二 大蔵大臣の指定する会社(以下指定会社と称す)の資本金の変更其の他株主若しくは社員の権利に変更を生ずべき定款の変更、利益の配当若しくは剩余金の分配又は社債の募集に関する株主総会若しくは社員総会の決議又は総社員の同意は命令を以て定むる場合を除くの外大蔵大臣の認可を受くるに非ざれば其の効力を生ぜず。

第二條 指定会社及び大蔵大臣の指定する者其の所有動産、不動産、有価証券、其の他の財産に付売却、贈與其の他権利の移転を生ずべき行為を為さんとするときは命令を以て定むる場合を除くの外、大蔵大臣の許可を受くべし。
 指定会社が資金の借入を為し又は預金の拂戻を受けんとするとき亦同じ。

第二條の二 指定会社の株式若しくは社債又は指定会社の社員の持分を讓渡し又は債務の担保に供せんとする者は命令を以て定むる場合を除くの外、大蔵大臣の許可を受くべし。

第三條 第二條又は前條の規定に違反したる者は三年以下の懲役若しくは禁錮又は五千円以下の罰金に処す。

第四條 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人其の他の従業者が其の法人又は人の業務に関し第二條又は第二條の二の規定に違反したる行為を為したるときは行為者を罰するの外其の法人又は人に対し亦前條の罰金刑を科する。

  附 則
  本令は公布の日より之を施行する。

 右答弁する。


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