答弁本文情報
昭和二十五年七月三十一日受領答弁第四二号
(質問の 四二)
内閣衆質第四四号
昭和二十五年七月三十一日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出主食の増配等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出主食の増配等に関する質問に対する答弁書
一 例年端境期である関係から米のヤミ価格は騰貴する時期であるが、本年は朝鮮の内戰が影響して、米のヤミ価格はいちじるしく上昇している。
最近の食糧庁調査課調査による東京、大阪における米のヤミ価格の動向を見ると次のようである。
(一升当り価格) | |||||||
一 月 | 二 月 | 三 月 | 四 月 | 五 月 | 六 月 | 七 月 | |
円 | 円 | 円 | 円 | 円 | 円 | 円 | |
東 京 | 一六三 | 一三〇 | 一一五 | 一〇七 | 一一五 | 一二三 | 一四五 |
大 阪 | 一七九 | 一六九 | 一五一 | 一二九 | 一三五 | 一五一 | 一九〇 |
二 本年七月一日現在における政府所有主要食糧の推定持越高の総量及び品目別内訳は左の通りである。
(1) 国内産 | |||||
米 | 一、二五八 | 千屯 | 八、三八七 | 千石 | |
麦類 | 三九七 | 二、六四七 | |||
雑穀その他 | 一二五 | 八三三 | |||
計 | 一、七八〇 | 一一、八六七 | |||
(2) 輸入食糧 | |||||
米 | 二七一 | 一、八〇七 | |||
麦類 | 七九二 | 五、二八〇 | |||
雑穀 | 六二 | 四一三 | |||
計 | 一、一二五 | 七、五〇〇 | |||
(3) 合計 | 二、九〇五 | 一九、三六七 |
三 (1) 主食の配給の特別措置については、その実施について関係方面と折衝中であるが、目下折衝中の案は左の通りである。
(イ) 左の特に米の配給割合の低い都道府県に対し、配給予定の麦製品に代え、五日分の米を配給する。(従つて、米食率の引上げとはなるが、米の特配ではない。)
北海道、群馬、東京、神奈川、山梨、靜岡、愛知、京都、大阪、兵庫、和歌山、広島、山口、徳島、愛媛、高知、福岡、長崎、宮崎、鹿兒島
このための所要量は玄米換算六一、八〇〇屯(約四一二、〇〇〇石)である。
(ロ) 右の外東京、神奈川、愛知、京都、大阪、神戸、広島、福岡の八大都市及び特に指定する隣接都市に五日分の小麦粉(その製品を含む)を特別加配として配給する。
右の所要量は、玄米換算二七、〇〇〇屯(約一八〇、〇〇〇石)である。
(ハ) 配給の対象は、現に主食の配給を受けている消費者及び一部保有農家とする。
(ニ) 実施時期は七月中の実施は困難となつたので八月に実施する。
(3)消費者に対しては、関係方面との折衝が終了次第今回の特別措置の趣旨及び大要を公表する予定である。
四 主要食糧の業務用配給については、本年六月より米以外の主要食糧につき左のものを対象として実施しておるのであつて、六月及び七月における割当量はそれぞれ一三、一一〇屯である。品目は小麦粉を主体とし一部に乾めん、そば等の品目も配給せられることとなつている。
(1) 社会事業を目的とする給食施設(厚生食堂)
(2) 労務加配を受けていない勤労者、学生又は生徒を対象とする会社官公庁及び学校に附属する給食施設(職域食堂)
(3) 飲食営業臨時規整法の規定により許可を受けた飲食営業者
(4) 鉄道の停車場の構内又は客車内において旅客に食事を提供し販売する業者
五 主食の品目別配給辞退量については、昨年七月一日以降調査を実施しているのであるが、本年五月迄の実績は別表の通りとなる。
配給辞退された食糧は、再度綜合用に配給することを原則としているのであるが、品質の低下その他の事由で綜合配給不適となつたものについては、一般消費者、工場事業場、学校、病院等に対する特配用、工業用、飼料用等に転用することを認めている。
転用するものについては、売却価格は差引かないことを建前としているのであるが、品質の相当低下したものについては値引をした場合の損失については目下調査中である。
右答弁する。