答弁本文情報
昭和二十五年十二月八日受領答弁第一四五号
(質問の 一四五)
内閣衆質第一四五号
昭和二十五年十二月八日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員風早八十二君提出東南アジヤ貿易に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員風早八十二君提出東南アジヤ貿易に関する質問に対する答弁書
対中国貿易は、国際情勢の影響によつて必ずしも円滑に運営されていない。日本としては戰前において対中国貿易が対アジヤ貿易の五割強を占めてきたものであるだけに、経済的には固より貿易の拡大を希望するものであるが当面の国際情勢から自らそこに困難の存することは避けられない。
すなはち対中共貿易については、日本、中共地区間の直接決済及び香港オープン・アカウントを経由する間接決済の方式によつて、粘結炭、大豆、塩、ちよ麻、桐油、皮革、獸毛等の日本経済自立のための必須原料を輸入しつつあり、対台湾貿易については先般締結した日台通商協定によつて年間五千万ドルにのぼる砂糖、塩、米等の必要物資の輸入を進めつつある。なお、このような方式をもつてしても不足する必要物資については、東南アジヤ市場に代替するというよりもむしろ、東南アジヤはもちろん広く世界各地域に輸入先を求め、支障のないよう措置を講じている。
右答弁する。