答弁本文情報
昭和二十五年十二月九日受領答弁第一五七号
(質問の 一五七)
内閣衆質第一五七号
昭和二十五年十二月九日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員林百※(注)君提出警察予備隊に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員林百※(注)君提出警察予備隊に関する質問に対する答弁書
一 海田市の部隊は十月十六日に設置せられたものであつて、御質問の時期にはまだ部隊の設置を見ていない。当予備隊は、政令に基く政府機関であつて総理大臣の指揮下にあるものである。
二 予備隊は、その編成を急いだため、幹部の人選が遅れ、従つて一般隊員中より選ばれた既幹部が部隊の顧問である進駐軍将校の指揮の下に訓練を実施しており、これがため用語としては過渡的現象として不適当なものがあつたことは事実であるが、政府としては予備隊に必要な教範類を目下作成中である。
三 予備隊は、警察予備隊令に明らかな如く、国の秩序と平和を維持するため、国家地方警察及び自治体警察の警察力では事態の收拾の困難と認められるような場合にその支援として出動するものであつて、軍隊にあらざることは極めて明瞭である。
裝備については、予備隊の任務にかんがみて一般警察よりもやや重裝備であり、又訓練についても部隊行動を主とすることはむしろ当然であるといえる。
なお災害等の発生の場合も、将来は全力をあげて、これが救援に出動するつもりである。
四 予備隊の経理は、日本の会計法に基いて行つていることはもちろんであり、米軍が行つていることはない。なお、退職金については昭和二十五年政令第三百三十三号で定められている。
五 警察予備隊は、現に設置されてある七万五千名の隊員の教育訓練に精励し、国内の治安維持の任務を完遂することを期しており、目下のところ人員の増加等については、考えていない。
六 予備隊員で、無届で帰ク又は旅行をしたものが極く少数あることは事実であるが、いずれも団体生活に対する不なれに起因している模様である。
七 予備隊は国内の治安維持に任ずるものであつて、国外に出て行動するというようなことはない。
右答弁する。