答弁本文情報
昭和二十五年十二月九日受領答弁第一六九号
(質問の 一六九)
内閣衆質第一六九号
昭和二十五年十二月九日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 ※(注)原喜重※(注) 殿
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出「占領余りに長し」といらだつ日本人対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員※(注)田甚太※(注)君提出「占領余りに長し」といらだつ日本人対策に関する質問に対する答弁書
一 講和の遅延は、国際情勢によるものである。民主主義諸国が講和促進のため努力していることは、周知のとおりである。
二 日本は占領下にあるが、日本人は捕虜ではない。
三 世界人権宣言は、国際連合第三回総会で採択されたが、国際連合加盟国中ソヴイエト連邦その他の共産主義国だけは、表決の際棄権してこの宣言に参加していない。日本は、もとよりこれに参加していないが、その精神はわが憲法にも十分とり入れられている。
四 日本が降伏した動機については、答弁の限りでない。その他質問の前提として述べているところは、所見を異にするが、民心を平靜にするためには、国内の治安を確保することが最も大切であると考える。
右答弁する。