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答弁本文情報

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昭和二十六年一月十一日受領
答弁第四〇号
(質問の 四〇)

  内閣衆質第四〇号
     昭和二十六年一月十一日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員(注)田甚太(注)君提出ポンド地域諸国における高率関税設定と日本貿易に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員(注)田甚太(注)君提出ポンド地域諸国における高率関税設定と日本貿易に関する質問に対する答弁書



一 最近におけるポンド地域諸国の関税率引上げ状況は次のとおりである。

 南ア連邦は、昨年八月二十五日に羊毛製品の輸入税を従価一〇%から五〇%に、綿製品の輸入税を従価一五%から三五%に引上げた。
 インドは、昨年十一月八日から綿花の輸出税を一俵(四〇〇ポンド)当り一〇〇ルピーから四〇〇ルピーに引上げ、従来無税であつた落綿及び羊毛にそれぞれ従価五〇%及び三〇%の輸出税を新設し、更に十一月二十日からジユート製品の輸出税を引上げた。
 パキスタンは、十月二十三日から綿花の輸出税を従来の一俵当り長毛筋六〇ルピー、短毛筋四〇ルピーから一律に一八〇ルピーに引上げ、この他、セイロンはゴム、茶、ペパーの輸出税をポンド当りそれぞれ一五セント、一五セント、二ルピー引上げた。

二 右の関税率引上げの結果、わが国への輸出入が受ける影響については、南アの場合は、昨年八月の高関税発表以来羊毛製品の契約はほとんど皆無となり、綿製品の契約も激減した。
  右は季節的な因子も考慮に入れなければならないから、今後の見透しについて確定的に断定することはできないが、相当の影響があるものと思われる。また、インド、パキスタンの輸出税引上げにより、わが国は、綿花及び落綿の輸入について相当の影響を受けると思われるが、セーロンの輸入税引上げは比較的穏健であるので、わが国にとつてその影響は軽微なものと思われる。

三、上述の関税率引上げの情報に接し、政府は直ちに関係方面を通じて、わが国に影響ある商品の関税率引下げを懇請している。特にインドに対しては、既契約分の落綿一万俵について輸出税を従価二〇%に引下げることに同意を得ている。
  なお、わが国がこれらポンド地域を含む世界貿易国から最惠国待遇の許與を受けることが緊要であり、このため現在一般的にはGATT(関税及び貿易に関する一般協定)に加盟すること、個別的には各国との通商協定において該條項を規定することを目標として努力している。

 右答弁する。




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