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答弁本文情報

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昭和二十六年一月十一日受領
答弁第四二号
(質問の 四二)

  内閣衆質第四二号
     昭和二十六年一月十一日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 (注)原喜重(注) 殿

衆議院議員(注)田甚太(注)君提出労働協約の締結に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員(注)田甚太(注)君提出労働協約の締結に関する質問に対する答弁書



一 終戰後の労働協約締結率

    協約被適用組合比率
昭和二十二年六月末   二四・〇% (海員組合を除く。)
十二月末   四六・一%  
昭和二十三年六月末   六二・八%  
昭和二十四年六月末   五六・一% (公務員を除く。)
昭和二十五年五月末   三七・二% (   〃    )
 (昭和二十年、二十一年については、十分な信頼性のある統計がない。)

二 労働協約締結促進の必要性について

 労働協約は、労働者がその団結によつて自主的に労働條件を向上し、地位をたかめ、自らの利益を確保するため、及び労働者と使用者との自由な合意により合理的な労働関係を樹立し、もつて生産の向上をもたらし、経済の興隆に寄與するために、労使関係の基本をなすものとして最も重要なものである。
 しかるに、前項の数字に見るごとく労働協約の締結率が最近相当低下しているので、労使に労働協約の必要性のよりよき認識を促し、協約交渉上の問題点について合理的な見解を明らかにし、もつて労働協約が速やかに自主的に締結されることを促進する必要があつたからである。

三 協約締結促進の方法及び結果について

 協約締結促進の方法としてとられたのは、
  1 研究会、懇談会、協議会等の開催
  2 労使双方に対する個別指導
  その他であつた。
   これらの措置を実施するに当り、労働協約の本質、あるいは交渉上労使間で問題となつている事項についての見解を明らかにし、交渉の行詰りの打開に努めた。

  1 研究会、懇談会、協議会の実施状況

      参加人員合計
  イ 労働者側のみを対象とせるもの 九三一回 四六、四七三人
  ロ 使用者側のみを対象とせるもの 四一五回 五、四六〇人
(含不明一県)
  ハ 労使双方の代表者を集めて開かれたるもの 八四五回 三三、〇九〇人
      合     計 二、一九一回 八五、〇二三人

  2 個別指導
  個別指導回数     八、九五二回(一県当平均一九五回弱)
     対象となつた組合数 七、三三二組合(組合員九八五、六七六人)
     対象となつた使用者数 九、六四〇人

  3 その他実施した具体的方策

 協約締結促進のために各都道府県の実情に即した効果的方法がとられたが、各地に共通した具体的方策としてはおおむね次のごときものが行われた。
 イ 夏期労働大学、労働学校における労働講座、新聞、ラジオ、公報労働機関紙、広告車等による宣伝指導解説
 ロ ポスター、リーフレツト、パンフレツト、幻燈、掛図、立看板、壁新聞等による宣伝
 ハ 「労働協約集」等各種資料の提供
 ニ 協約締結促進集会、婦人労働教育大会、労働教育映画大会等諸会合の開催
 等である。


促進運動の結果として次の諸効果があつた。
1 五月ないし八月までの間に締結された労働協約は七六四、被適用單位労働組合数は、一、〇五一この中、これまで無協約であつた組合で協約を締結したところは、五八三組合である。
2 この措置は、協約の重要性、必要性に対する認識を高め、協約の締結、改訂に対する積極的意欲を喚起する役割を果した。
3 今回の措置は一般的にいつて、労使双方特に労働組合から賛意をもつて迎えられ、労使双方の好意的協力のうちに実施された。

四 今後の方策について

 合理的労働協約の締結とその運用は、健全な労使関係の基本をなすものであるから、これが促進、助長は今後引き続き労政行政上の最重要課題の一として推進されるべきものであつて、いつまでという期間を切ることなく、随時適切な方法をとりつつ続けられるべきものと考える。

 右答弁する。




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