答弁本文情報
昭和二十六年五月二十九日受領答弁第七九号
(質問の 七九)
内閣衆質第七九号
昭和二十六年五月二十九日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 林 讓治 殿
衆議院議員高倉定助君提出大豆及び雑穀に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員高倉定助君提出大豆及び雑穀に関する質問に対する答弁書
一 大豆
1 大豆の本年度有効需要量は約五〇〇、〇〇〇トンであり、これに必要なランニング、ストツク五〇、〇〇〇トンを加えると五五〇、〇〇〇となる。これに対し供給見透しは、前年度からの持越五〇、〇〇〇トン国産大豆出まわり見込一五〇、〇〇〇トン(以上計二〇〇、〇〇〇トン)であつて、差引輸入を必要とする数量は三五〇、〇〇〇トンとなる。
2 最近の国内生産は次の通り逐年かい復し、本年産大豆は戰前の生産三五〇、〇〇〇トン程度に達する見込であり、出まわりも一五〇、〇〇〇トンは確実とみられる。
トン | |
昭和十一、十二、十三年平均 | 三五二、〇〇〇 |
同 二十一年 | 二〇二、〇〇〇 |
同 二十二年 | 一七四、〇〇〇 |
同 二十三年 | 二一四、〇〇〇 |
昭和二十四年 | 二一六、〇〇〇 |
同 二十五年 | 三二三、〇〇〇 |
この数量は年間要輸入量三五〇、〇〇〇トンに対し、大部分が確保され、むしろ時期的には相当の過剩になる見込となるので、大豆及び大豆製品の需給及び価格の安定を期し得るというよりは、むしろ正常な価格を時期的に維持し難い状況に立至るおそれがある。
歴 年 度 | 米 国 | 中 国 | そ の 他 | 計 | |
トン | |||||
昭和 | 二十一年 | 一、六〇〇 | ― | ― | 一、六〇〇 |
二十二〃 | 一〇、五〇〇 | 四、八〇〇 | ― | 一五、三〇〇 | |
二十三〃 | 三〇、五〇〇 | 一三、八〇〇 | 一、三〇〇 | 四五、六〇〇 | |
二十四〃 | 一五七、九〇〇 | 三〇、六〇〇 | 一、七〇〇 | 一九〇、二〇〇 | |
二十五〃 | 八九、〇〇〇 | 一〇〇、四〇〇 | ― | 一八九、四〇〇 |
二 雑穀の輸出状況
昭和二十五年七月から現在までの間に次の通り輸出向として大部分北海道産のものを売却した。
原 穀 | 加 工 品 | 特 需 | 計 | |
トン | トン | トン | トン | |
小 豆 | 二八二 | 一九八 | ― | 四八〇 |
手 ぼ う | 二、四八六 | ― | ― | 二、四八六 |
中 長 | 九八九 | 八七六 | ― | 一、八六五 |
長 う づ ら | 一〇九 | 四九 | ― | 一五八 |
え ん 豆 | 七六 | 二三四 | 一七四 | 四八四 |
大 豆 | ― | 二三二 | ― | 二三二 |
黒 大 豆 | 四五 | 一二 | ― | 五七 |
そ ば | 三、五〇〇 | ― | ― | 三、五〇〇 |
計 | 七、四八七 | 一、六〇一 | 一七四 | 九、二六二 |
手ぼう、中長は欧洲が主な需要地であり、そばと共に大部分ドイツ向に出荷された。
小豆、黒大豆は、アメリカ方面の邦人向であり少量にすぎない。加工品は、さらしあん、甘納豆等黄粉、凍豆腐、味そ等であり、やはりアメリカ向である。
本年三月の統制撤廃により輸出者は国内自由市場から買付をしなければならず、現在価格はなお強調なので海外の需要は相当大きいにかかわらず今後の輸出は、現在のところ困難と思われる。
右答弁する。