昭和二十七年三月二十五日受領
答弁第二〇号
(質問の 二〇)
内閣衆質第二〇号
昭和二十七年三月二十五日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 林 讓治 殿
衆議院議員竹尾弌君提出小貝川合流点附替えに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員竹尾弌君提出小貝川合流点附替えに関する質問に対する答弁書
一 「付替え各案の利害得失及び背割堤案が技術的に最善であると結論した理由を敷衍解説したパンフレツトを作成して、関係町村に配付、検討させること。」については、政府は別段確約していない。但し、昭和二十六年七月十二日の懇談会において発表した「小貝川合流点附替えの理由について」及び「路線選定の理由について」と題する文書は、附替え各案について利害得失を述べ背割堤案選定の理由を明らかにしたものであつて、関係町村長にも配付されており、右の趣旨は充分に達成されていると考える。
二 「前項の文書に添附した図面に誤謬があり、実地調査不充分である。」という点については、配布した図面は建設省地理調査所発行の二万五千分の一の地図であり、これに橋梁位置が誤り記入されていたことは指摘されるとおりである。
しかし、これは書き写しの際の誤りであつて、これによつて計画の本質的内容に影響あるものではないので、責任者の懲戒処分の必要を認めない。
三 『背割堤による路線が技術的に最善であるという絶対的な理由をつけることができない」という質問に対して、建設技監が「その通りである」と回答した。』といわれるが、建設技監はそのような回答をしたことはない。
四 「小貝川合流点附替え反対陳情に対して、回答せられたい。」という点に関しては、問題の説明には文書のみならず参考図面の提示、口頭説明、質疑応答等を必要とすると考えたので、むしろ布川町長と直接会談すべく努力した。布川町長とは日時まで口約して出頭したが、当日居所不明で会談の機会を得られず遺憾に思つている。
五 小貝川合流点附替関係昭和二十六年度予算の使途の公開の必要は認めない。
なお、関係帳簿の閲覽については、制度上監査機関の検査を受けているのでその必要を認めない。
六 『新聞関係者に対して、建設省が「来週早々に立退通告云々」と発表したことが非常識、且つ、誇大で民心を動搖させている。』と指摘されているが、政府は右のような発表はしていない。
立入通告の手続をすべく準備中であると新聞記者に語つたのである。いずれにせよ、右によつて民心の動搖をきたすとは思わない。
右答弁する。