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答弁本文情報

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昭和二十七年三月二十五日受領
答弁第二三号
(質問の 二三)

  内閣衆質第二三号
     昭和二十七年三月二十五日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 林 讓治 殿

衆議院議員並木芳雄君提出進学適性検査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員並木芳雄君提出進学適性検査に関する質問に対する答弁書



一 国立大学に入学者選抜に当つては、志願者が非常に多数の場合には、選考を第一次と第二次に分けて行うことができることになつているが、本年も第一次選考を実施した国公立大学は調査中ではあるが、東京では東京大学、一橋大学及び東京外国語大学の三校である。
  第一次選考は、單に進学適性検査の成績だけでなく、出身学校の調査書と合わせて選考するのであるが、進学適性検査の成績を右の三校の第一次合格者中の最低者について昨年と比較すると次の通りである。なお、本年の適性検査の成績は昨年に比し、全国平均が約八点高くなつている。

   本年 昨年
東京大学 四〇 ― 五四 五〇
一橋大学 六二 四七
東京外国語大学 五八 四五

  他方、本年は、昨年に比して入学志願者はそれぞれ増加しており、学校当局は第一次採用予定数を発表しているのであるから、受験者が不当に振い落されたようなことはない。

二 大学の入学者選抜は、出身学校の調査書と進学適性検査と学力検査の成績とを総合して決定することになつており、国立大学においても、施設の許すかぎり志願者の全部に対して学力検査を行うべきであるが、最近志願者が激増したため、一部の大学では施設及び人員の関係上どうしても第一次選考を実施しなければならぬようになつた。ただこの場合にも第一次選考は、志願者が募集人員の五倍を超える場合に限り行い得ることにしている。
  本年の実情は、いずれも第一次選考によつて募集人員の七倍以上をとつている。たとえば、東京大学では志願者一五、九四一人、募集人員二、〇〇〇人、第一次合格者一四、一七五人で第一次不合格者は一、三一六人である。

三 国立大学の入学検定料は、入学者選抜の手数料として定額(四〇〇円)で徴收しているのであつて、第一次選考によつて不合格者となつた者に対しても別段減免する考えはない。

四 入学者選抜の方法としては、真に客観的な標準によつて、公平に高等教育に適する者を選抜できるような方法が望ましいことはいうまでもない。このためには、従来の学力検査だけによる方法は、結果の客観的適格性を期し難い欠点があつた。この欠陷を補うために心理学者その他の專門家の研究に基いて実施したのが進学適性検査であり、現在は、試験的に学力検査と併行的に実施してその成果を研究中であり、これを廃止する意向はない。

 右答弁する。




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