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答弁本文情報

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昭和二十七年四月二十五日受領
答弁第三一号
(質問の 三一)

  内閣衆質第三〇号
     昭和二十七年四月二十五日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 林 讓治 殿

衆議院議員立花(注)男君提出集団赤痢発生に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員立花(注)男君提出集団赤痢発生に関する質問に対する答弁書



一 発生場所及び罹病者数

1 発生場所
  神戸市兵庫区和田岬
  中日本重工業株式会社神戸造船所

2 罹病者数
  本工場従業員約一万名の中に三月二十三日より患者発生し、四月十五日までの患者、疑似患者及び保菌者の発生総数は二、五二二名である。此のうち、患者は約九〇〇名で、他は疑似患者及び保菌者である。患者の発生は四月十一日をもつておおむね終そくしたが、なお検便により保菌者を発見中である。
  死亡者は現在までに三名である。

二 発生原因及び伝染経路

 本工場は約一万名に対し、一箇所の調理場において、調理給食(晝全員、夜一部)を実施しており、発生原因としては現在までの調査の結果、三月二十日晝の給食が原因と考えられる。
 感染経路については、国、県、市合同で調査を実施中であるが、現在までの調査によると、自家給水施設の水源の汚染によるものではなく、水源から調理場までに至る間の飮料水の汚染、又は給食された食品の汚染によるものと推定されるが、その詳細な汚染経路については未だ不明である。

三 防疫対策

1 患者の発見及び收容
  患者発生と同時に県、市合同で欠勤者、従業員の検診(検便を含む。)、患者及び保菌者の家族の検診(検便を含む。)を行い患者及び保菌者の早期発見につとめた。
  一方患者の收容については神戸市伝染病院(二箇所)、県下近接地伝染病院(三箇所)の外、市有建物の一部(三箇所)、検疫所、中重工場寮(二箇所)を臨時隔離病舍として一、八〇〇床を開設收容した。

2 工場の防疫措置
  患者発生と同時に工場給食を中止するとともに、飮料水の塩素消毒の強化、調理施設、便所、下水施設等の改善を図つた。

3 指導事項
  三月三十日より約二週間係官を現地に派遣するとともに、更に四月二日厚生省公衆衛生局防疫課長をして現地指導を行わしめた。又感染経路の究明のため国立予防衛生研究所長、同副所長、細菌部長及び厚生省公衆衛生院疫学部長外係官を現地に派遣し、その原因探究につとめている。

 右答弁する。




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