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答弁本文情報

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昭和二十七年十一月二十一日受領
答弁第四号
(質問の 四)

  内閣衆質第四号
     昭和二十七年十一月二十一日
内閣総理大臣 吉田 茂

         衆議院議長 大野(注)睦 殿

衆議院議員山花秀雄君提出立川市における汚染飲料水に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山花秀雄君提出立川市における汚染飲料水に関する質問に対する答弁書



一 立川市における井戸水汚濁の原因は、立川市附近に駐屯する駐留軍用輸送管の破損箇所より漏油して徐徐に地下しん透をしたもので、このことは合同委員会による協議の結果、駐留軍側の調査によつて明らかにされている。
  従つて、その原因とみられる油送管の破損箇所は、本年七月二十二日の現地調査によつて、すでに修理されていることを確認している。
  飲料水汚濁の解決策としては、水道を布設して速やかに給水を開始することにあるので、関係当局とも連絡を密にして、これが促進に努力している。
  水道布設工事並びに水道給水を開始するまでの応急給水に必要の経費等については、関係書類の整備をまつてその実情を充分勘案し、速やかに処理する所存である。
  なお、行政協定第十八条に基く市民の被つた損害に対する補償については、目下研究中である。

二 立川市における水道建設の当初の工事計画としては、給水人口二万三千四百人、一日平均配水量五、四〇〇屯、一人一日平均給水量二三〇立とし、これに要する経費は、一億八千七百万円となつているが、井戸水汚濁地域が漸次拡大したため、当初の計画以外にその後の汚濁地域を追加して事業を実施する予定である。
  なお、全計画の中追加地域を含めた汚濁地域の水道布設に要する経費は、約七千百八十九万円、給水人口にして約五千人と見込まれているが、詳細なる実施計画は、目下立川市において立案中である。
  本工事は、昭和二十六年度より開始したのであるが、井戸水汚濁の問題とも関連し、特に本年度においては、国庫補助金及び地方債等を併せて六千六百万円を支出することとし、昨年度分を加えると、七千七百五十余万円となつている。
  この工事によつて、明年一月には被害地域の一部に給水を開始することができる予定である。

三 国庫補助事業及び地方債事業の対象工事は、水道の基本的施設に限定されているので、一般の家庭引込に要する給水工事費は、各市民の負担となつている。
  しかしながら、立川のごとく井戸水汚濁による、水道布設の補償として、家庭引込に要する経費までを対象とすべきか否かについては、関係当局と打合せの上慎重に取り扱いたいものと考えている。

四 汚濁飲料水を化学分析した結果については、本年七月十八日東京都衛生局長より、立川市長宛通知したとおり、飲料水として国が許している以上の鉛量を含有しているものは、八八〇余件の検査中には認められなかつた。従つて、市当局が一般市民に対し飲料水の鉛量が猛毒性を有すると警告を発する必要もなく、且つ又、事実の隠ぺいを要請したことはないように了知している。
  なお、今後万一飲料水等が人命に危険を及ぼすごとき現象を発見したときは、市当局をして住民に対してこれを速やかに周知徹底せしめ、これが防止につとめさせる所存である。

五 給水自動車による給水は、できるだけ円滑に市民に行き渡るよう、折角努力しているのであるが、運搬能力その他の関係から、不便をかけているので、今後充分の努力をいたすとともに、速やかな水道布設による給水の開始につとめている次第である。

 右答弁する。




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