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昭和二十八年三月十日受領答弁第三七号
(質問の 三七)
内閣衆質第三七号
昭和二十八年三月十日
内閣総理大臣 吉田 茂
衆議院議長 大野※(注)睦 殿
衆議院議員並木芳雄君提出立川市及び昭和町における井戸水汚染被害補償に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員並木芳雄君提出立川市及び昭和町における井戸水汚染被害補償に関する質問に対する答弁書
一 1 井戸水汚濁の原因は、駐留軍基地よりのガソリン地下滲透によるものとされていたが、最近にいたり旧日本陸軍用地下ガソリンタンクからも漏洩しているのではないかとの疑をもたれるに至つたので、駐留米軍側とも連絡して、これが究明にあたつている。
2 損害の補償については、その原因が何れの場合であつても政府としては出来得る限り万全の方途を講ずる所存である。
3 立川市については、水道を急速に布設せしめて、被害地域住民の飲料水を確保する必要があるので昭和二十六年度に引き続き昭和二十七年度において国庫補助金及び起債等により当初六千六百万円をもつて被害の特にはなはだしい地域に給水をせしめることとした。然しながらその後これが地域は益々拡大されたので財政当局とも連絡の上更に五千五百万円の起債を確保(合計一億二千二百万円)して三月末日までには被害激甚なる地域の大半に給水出来る見込であるが残事業九千八百七十余万円についても早急にこれが確保につとめ全地域の給水を開始することと致したい。
昭和町については駐留米軍側より分水を受け応急施設をもつてすでに被害地区の給水を行つている。
二 ガソリン類の流出による防火対策としては、現地市、町当局並びに住民に対し、特に注意を喚起し、ガソリン湧出井戸の取扱及び火災予防知識の普及徹底を期すると共に必要に応じ井戸水使用の禁止及び焚火、喫煙の禁止区域の指定等を行つている。
右答弁する。