答弁本文情報
昭和三十年四月二十六日受領答弁第三号
内閣衆質第三号
昭和三十年四月二十六日
衆議院議長 ※(注)谷秀次 殿
衆議院議員古島義英君提出農地維持に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員古島義英君提出農地維持に関する質問に対する答弁書
一 質問一の農地転用防止について
国は六箇年計画を樹立し、これが実施によつて急速な自立経済の安定を図ろうとしております。そのためには、国内において国民食糧を確保して食糧輸入による外貨負担を軽減し、国際収支の改善を図るための施策として、土地改良、開拓等の食糧増産対策の実施を図つているが、他面、既存の農地が無計画に工場敷地等に転用されることによる食糧の減産を防止する必要があります。従つて、農地の工場敷地等への転用は、厳重に統制し、国民経済再建のための緊急欠くことができない施設について農地以外に建設適地がない場合に限り必要最少限度の農地転用を認める方針であります。
自作農創設特別措置法による買収及び売渡は、買収又は売渡の時期(所有権移転の期日)、対価等を記載した買収令書又は売渡通知書を相手方に交付して行い、その令書又は通知書に記載されたところによりそれぞれ所有権が移転することになつております。その買収又は売渡に伴う登記は、特別の事情のない限り遅滞なく、都道府県知事が職権で嘱託をすることになつております。
買収した農地は、自作農として農業に精進する見込のある者に売り渡すが、その判断は、その世帯の構成、経歴、耕作関係等諸般の事情を総合的に考慮して行います。
国が売り渡した土地については、一般的に、その売渡し処分に瑕疵があるにとどまらず、その瑕疵が売渡しを受けた者の既得権を侵害してもなお取消を行わねばならない公益上の必要性があると認められる場合には、その売渡しを取り消すことが可能でありますが、その他の場合には、その売渡しを取り消すことができないものと解しております。なお、この点については、自作農創設特別措置法が廃止された後においても、同様と解しております。
右答弁する。