答弁本文情報
昭和三十年七月一日受領答弁第一七号
内閣衆質第一七号
昭和三十年七月一日
衆議院議長 ※(注)谷秀次 殿
衆議院議員岡本※(注)一君提出児童公園予定地の不当なる農地化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員岡本※(注)一君提出児童公園予定地の不当なる農地化に関する質問に対する答弁書
一 質問一について
五箇年保留制度は、都市計画区域内の農地を自作農創設特別措置法第三条の規定により買収した場合において、その農地が五年以内に他の用途に転用される見込が確実なときは、その間売渡を保留するために設けられたものであるが、この制度は農地法施行の際に廃止された。しかしながら、その後二年間はなお行政的に売渡を保留し、その間に転用計画が具体化したものについては、これを実現させる機会を与えた。
この制度は、都市計画事業と自作農創設事業の行政目的を調整するために設けられたものであるが、相当期間を経過している現在においてもなお他の用途に転用されない農地は、これを農地法の規定により自作農として農業に精進する見込のある者に売り渡すこととしたのである。
なお、本件については、土地区画整理法施行以前の事業であるから、土地区画整理法とは関係がない。
農地法による農地の売渡は、農民からの買受申込に基き農業委員会が関係書類を作成して都道府県知事に進達し、都道府県知事がこれに従い売渡通知書を交付して行うのであるが、その際の売渡の相手方は、その売渡のときにおいてその農地につき権原に基いて耕作の事業を行う者で自作農として農業に精進する見込のあるものとし、もし、その農地につき権原に基いて耕作の事業を行う者がいないときは、一般買受希望者で自作農として農業に精進する見込のあるものとなる。従つて知事が御質問の農地を農業委員会から進達があつたからといつて不法耕作者に優先的に売り渡すようなことはないと考えるが、具体的に調査することと致したい。
農地制度改革により売り渡された創設農地の宅地化については、一般農地と同様に農地法第四条又は第五条の規定により、都道府県知事又は農林大臣の許可を要することとしている。その許可に際しては、公用、公共用又は国民生活の安定上必要な施設で緊急の必要があり、かつ、その用に供されることが確実と認められる場合に限りこれを認めることとしているが、さらにこれが励行を期するよう措置致したい。