答弁本文情報
昭和三十五年二月二十三日受領答弁第一号
(質問の 一)
内閣衆質三四第一号
昭和三十五年二月二十三日
内閣総理大臣 岸 信介
衆議院議長 ※(注)※(注)一※(注) 殿
衆議院議員松※(注)忠久君提出中小企業向け金融機関の不正融資並びに不正業務に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員松※(注)忠久君提出中小企業向け金融機関の不正融資並びに不正業務に関する質問に対する答弁書
一 横浜銀行大雄山支店において不祥事件があり、この事件の当事者である支店長がたまたま土地の素封家であつたこと等からその人物を過信し、異例の長期にわたり同一人をその職に置いていたこと等のため、これが相当長期間発見されなかつたことは、まことに遺憾である。
事件の発見後は、貸出しの回収につとめるほか、本人の私財を提供させる等の善後措置を講じてきているので、預金者に対する不安は全くない状況にある。
二 同銀行は、その健全性において、数年来急速に改善されてきており、現在特に問題とすべき状態にはない。
三 千葉銀行の株式会社レインボーに対する債権については、極力整理回収するよう指示しており、最近までで相当程度の減少をみている。しかし、債権額も相当の額に上るので、その整理回収にはかなりの時日を要するものと見込まれ、まだ全額整理完了には至つていない。大蔵省においては三十二年以後三十四年にも検査を行なうほか、債権整理状況について常時報告を徴する等特別の監督を行ない、整理の進ちよくを図つている。
四 永代信用組合の業務運営について、同組合の所管庁である東京都庁に照会したところ、次のような報告があつた。
(一) 同組合の一組合員に対する貸出し制限は、業務方法書に組合員勘定の十パーセントと定められているが、鎌倉ハム食品工業株式会社(本社 東京都中央区)及び一元青果株式会社(本社 東京都千代田区)に対する貸出し等この限度を越えるものが若干認められる。
(二) 区域外の事業会社に対する融資は認められない。
(三) 同組合が融資先の会社の乗つ取りを行なつた事実は、同組合の検査結果からではつまびらかでない。
(四) 所管信用組合の大口貸出し、区域外貸出しの規制については、ブロック別会議等の機会を利用して指導を行なうとともに、検査の際これら貸出しが発見された場合には厳重な警告を発し、事後検査を行なつて改善せしめている。
右答弁する。