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答弁本文情報

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昭和三十六年二月二十四日受領
答弁第七号
(質問の 七)

  内閣衆質三八第七号
    昭和三十六年二月二十四日
内閣総理大臣 池田勇人

         衆議院議長 (注)(注)一(注) 殿

衆議院議員中村高一君提出ジエット飛行機の騒音防止に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員中村高一君提出ジエット飛行機の騒音防止に関する質問に対する答弁書



 (自衛隊機関係)

(イ) 航空機自体に消音装置をとりつけることは困難と思われる。

(ロ) 野外におけるエンジンテストを中止することはできないが、地上騒音については、消音器の装備、防音施設の建設等によつて低減を図るべく鋭意努力中である。なお、テストスタンドの位置及びテスト時間等についても可能な限り騒音の影響を低減するための配慮を加えている。

(ハ) 防衛庁では従来、教育施設を優先して防音工事を実施してきており、逐次病院についても実施したい考えである。民家等に関しては今後慎重に検討すべきものと考えるが、早急実施は困難である。

(ニ) 近接の住民が騒音のため、移転することが真にやむを得ない場合には適当な移転補償をする考えである。

 (米軍機関係)

(イ) 米軍用ジエット機自体にとりつける適切な消音装置が製作されるにいたつていないので、いまだその取り付け方について米軍に申し入れを考慮していない。

(ロ) 騒音防止申し入れに対し、米軍においては、作戦上やむを得ない場合のほか、野外のエンジンテスト、深夜のジエット機の始動及び飛行をしないことなど、積極的な協力を示している。
    特に住宅地域に隣接する基地については、テスト場の移転、テスト時間の制限、消音装置の使用あるいは完全防音装置の整備室の設置等効果的措置を講ずるよう日米間で目下検討中である。

(ハ) 米軍機による騒音に対しては、昭和二十八年法律第二百四十六号特別損失補償法施行以来、学校教育法による学校、医療法による病院等に対して、防音工事を実施してきたが、最近、機種の変更に伴い騒音度が増大し、防音のため木造校舎を鉄筋化する必要が増加しているので、まず教育施設に対し集約的に工事を推進することとしている。したがつて、現行政令に定めのある幼稚園、医療施設の防音工事も遅延のやむなきに至る状況であるので、保育所、民家等、新規対象の防音工事早急実施は困難である。

(ニ) 米軍ジエット機の騒音による被害のため、近接住民が他地区に移転を希望する場合のすべてについて、補償措置を行なうことは、財政上からも困難であるが、航空法にいう進入表面下のごとく、ジエット機のコースの直下にある住民が騒音のほか危険感、爆風等による被害もあわせて受けているものについては、補償措置を講じてきている次第である。

 (民間機関係)

(イ) 民間航空で使用するジエット機については、すでに各国とも推力の低減する犠牲をしのび、全部消音装置を施している。また、その改良については各国とも真剣に研究を重ねている現状である。

(ロ) ジエットエンジンのオーバホール後のテストは、防音装置を実施した構造物で行なつている。また、その他のテスト(短時間)については、人家から最も離れた飛行場内の個所で行ない、騒音を海面に向けるよう配意するとともに、ブラストフェンスを設ける等騒音防止の効果をあげるよう努力している。

(ハ) 民間空港においては、漸次ジエット機の運航回数も増加し、空港周辺の住民に対し、少なからざる影響を与えている現状にあるので、目下、地元公共団体、住民代表をも含めた騒音対策協議会を設置してその対策を鋭意検討中である。なお、最近羽田空港周辺で行なつた騒音調査の結果によると、自衛隊、米軍機についての補償基準には達していない。

(ニ) 政府としては、米軍および自衛隊の使用する飛行場演習場等の基地に関連して生起する騒音による被害およびその他の各種被害を防止または減少して、これら基地の円滑な維持運営をはかるため、積極的に基地周辺の環境整備等を有効適切に実施し、かつ、従来の各行政機関による個別的措置のほか、これらを総合的に処理する方途を立てるための協議会を設けることとしているが、その組織等は次のとおりである。

(一) 組織
    総理府総務長官を会長、総理府総務副長官を副会長とし、委員には、関係行政機関の職員を充てることとしている。

(二) 経費
    総理府所管各種協議会運営の経費のうちからこれに充当する。

(三) 時期
    本協議会は、設置のための協議が整い次第閣議決定により設置する予定である。

    右答弁する。




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