衆議院

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昭和三十六年三月二十四日受領
答弁第一〇号
(質問の 一〇)

  内閣衆質三八第一〇号
    昭和三十六年三月二十四日
内閣総理大臣 池田勇人

         衆議院議長 (注)(注)一(注) 殿

衆議院議員(注)間田(注)一君提出東富士演習場問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員(注)間田(注)一君提出東富士演習場問題に関する質問に対する答弁書



一 1 昭和三十四年一月十六日「東富士演習場返還に伴う措置について」の閣議了解は、当時岸・アイク共同声明によつて駐留軍の地上部隊の本土からの撤退が顕著になつたのに伴い、米陸軍の演習場使用度合が減少したのに対し、自衛隊の必要度合が強くなつたので、これを日本側に返還を受けて自衛隊の施設とし、米軍には随時使用を認めること、また、自衛隊が本演習場を使用するに際しては、自衛隊の演習と地元民生の安定とが両立するよう措置することを目途としたものであつた。
    政府は右の方針により米軍との返還交渉に入つたのであるが、その後、米軍の本演習場に対する必要性が著しく強まつたこと、また、現在の演習場の規模は演習を有効にするための最少限度のものであり、これを縮少することはきわめて困難であるとの意向が米側から強く表明されたことから、交渉は難行している。
    したがつて、返還の確たる時期を明示することは困難である。

  2 国有地五六〇ヘクタール(演習場内三六〇ヘクタール、演習場外二〇〇ヘクタール)については、現在米軍に提供中の開田予定地域を除き、演習場外の一部の国有地四六ヘクタールは、昭和三十六年七月一日を目途として大蔵省普通財産から農林省開拓財産に所管換するよう目下東京農地事務局と東海財務局の間において手続中であつて、なお残余の演習場外約一四〇ヘクタールについては、所管換の準備を取りすすめている。
    所管換完了後農林省は開拓計画を樹立し、農地法に基づいて本用地を買受希望者に売り渡すことになる。
    米軍に提供中の国有地についても、米軍から返還後は、同じ手続により売り渡される。

  3 「東富士演習場周辺農業整備事業」として実施中の九四七ヘクタールの開田事業については、目下静岡県が事業の推進に努めており、すでに開発された用水源をもつて、昭和三十六年三月までに八六ヘクタールの開田が終了している。
    ただし、この水源が比較的低部に開発されたため、最も演習場に関連の深い印野、須山等の高部に送水できない事情にあつた。
    しかしながら、最近にいたり印野、須山等に送水できる高部の水源として、三味線林山附近に有望な地下水を探査することができたので、現在直ちに「東富士演習場周辺農業整備事業」の計画を根本的に再検討することなく、できるだけすみやかにその水量を確定し、従来の計画を推進いたしたい。

二 林野特産物に対する現行の損失補償は、入会慣行のあつた土地が施設区域として駐留軍に提供されたことによつて、その慣行が阻害された場合に、各農家が受けた実損を補償することを建前としている。補償額の算定にあたつては、各農家は場外採草地において、また立入許可日に採取を行なうものとし、以上によるもなおかつ不足する分について実損を補償することとしている。したがつて実損の多寡により補償額が変動することは当然である。
    以上の建前をかえて「集団の管理する個有の入会地に対する定額補償方式」を採用することは

 (イ) 現行の建前が前記のごとく入会慣行の阻害に対する実損補償であつて、入会権そのものの権利侵害に対する補償ではないこと。

 (ロ) 演習行為により場内の入会慣行のあつた土地が荒廃することは事実であるが、荒廃度がすすんで採草量に影響するような事態が生じた場合には算定の過程においてこの要素を考慮に入れることもありうること。

 (ハ) 補償算定の基礎的な要素について補償申請者とあらそいのある場合には事実の認定について、更に現地調査を行なうなどの措置により解決を計つていること。

 等の理由により、直ちにその必要はみとめられない。
    しかし、なお、十分検討したいと考える。

三 演習場等の周辺に居住する農民の生活再建のための措置は従来ともその必要性を認めて、極力実現に努力してきたが時運に対応する経済力の充実を図るための特別法の制定については今後検討を要すべきものと考える。

 右答弁する。


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