昭和四十三年二月九日受領
答弁第二号
(質問の 二)
内閣衆質五八第二号
昭和四十三年二月九日
内閣総理大臣 佐藤榮作
衆議院議長 石井光次郎 殿
衆議院議員※(注)本三郎君提出台湾産バナナ輸入割当て方式に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員※(注)本三郎君提出台湾産バナナ輸入割当て方式に関する質問に対する答弁書
一 台湾バナナ輸入については、昭和四十年七月以降いわゆる実績者割当て方式を採用しているが、これは、バナナの国内需要に対してその供給が相対的に不足している状況下で過当な競争を排除し、合理的な輸入秩序を確立するためのやむを得ざる措置であると考えている。この場合において、割当ての基準となつている実績の内容が「不公正競争」の結果によるものであるとの御意見であるが、これについては、何が「不公正競争」であるかを客観的に認定することは極めて困難であり、裁判の結果等によりその事実が確定された場合は別として、現状においては、この方式を継続せざるを得ないものと考える。
二 次に実績割当て方式の採用によつて、大手輸入業者の価格支配力が強まり、小売価格の安定ないし引下げを阻害しているという御意見であるが、これについては、昭和四十一年四月十日の春日一幸議員の再質問主意書に対する答弁書において述べたごとく、そのおそれは特にないと考えられ、政府としては、むしろ、国内果樹産業との調整を配慮しつつ輸入数量の増大を図るとともに、加工商工組合の育成等により国内流通の合理化を推進することが消費者価格の安定ないし引下げに最も貢献するものと考え、その方向に向つて努力を続ける所存である。
三 バナナの輸入割当て方式については、輸入秩序の維持確立の見地から、従来とも、日本バナナ輸入組合の意向を尊重して実施して来たところであるが、御質問の均等割の問題に関しても、新たに組合員の総意として要望があつた場合には、これを考慮しつつ、従来方式に併せて十分検討してまいりたいと考えている。
四 御質問の特別調整割当ての実績算入の可否については、特別調整割当ては、過去の割当ての再調整上必要やむをえざる措置として実施したものであり、今後引き続き実績として取り扱うのが妥当であると考える。
右答弁する。