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答弁本文情報

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昭和四十三年三月十九日受領
答弁第五号
(質問の 五)

  内閣衆質五八第五号
    昭和四十三年三月十九日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 石井光次郎 殿

衆議院議員小澤貞孝君提出農業用資産に係る相続税に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員小澤貞孝君提出農業用資産に係る相続税に関する質問に対する答弁書



一 相続税については、御指摘の趣旨にそつて課税方式及び課税最低限を定めるとともに、農地等の生前一括贈与について特例措置を設けており、十分な配慮を払つている。

二 相続税の財産評価は、課税時における適正な価額によるべきであり、その価額は、不特定多数の当事者間で自由な取引きが行なわれる場合に通常成立すると認められるいわゆる客観的かつ妥当なものであることが必要である。転用可能農地はその利用価値も大きく、それ相応の価額で取引きされており、このような農地の評価については、現在の利用状況のいかんにかかわらず、近傍の同種同様の農地の実際価額に比準してその価額を定めることが課税の公平を確保するために必要である。

三 現在の評価制度は、国税庁長官通達で基本的な評価の方法を定め、それに基づき各国税局においてその細目を定めることとしている。この細目の決定については、農地の売買実例による取引価額、土地評価に関する精通者(関係市町村職員を含む。)意見等を参しやくして行なつているが、現実には、個別的な土地の売買実例価格には特別の事情も加わつていることを考慮して、これに比べて相当低く定めているところである。また、課税財産の個々の土地についてみれば、その立地条件や性状等から、この評価方法を適用することが必ずしも適正でない場合もあるので、これについてはその実情を考慮して評価することとしており、現行の評価制度は、おおむね適正なものと考える。
  なお、公的な機関を設けて評価すべしとの意見については、今後さらに慎重に検討することとしたい。

四 農地の評価については、農地の価額の動向が農地法及び同法に基づく転用許可基準の農地の区分ごとにおおむね同じ傾向を示していることから、原則としては、その区分の基準に照らして地域別に評価する方法をとつている。しかし、この評価方法を画一的に適用することは、必ずしも個々の農地の価額を反映しない場合もあり、かえつて負担の公平を害することとなる。
  このような場合には、農地の転用許可基準の区分を機械的に適用して評価することは必ずしも適当でなく、その実情に即した評価の方法をとることとしている。

五 農地の生前贈与の特例措置は、農地の細分化防止と後継者対策から設けたものであるが、この制度は土地が代替性がなく、不変であることに着目して特に土地についてのみ認めたものである。果樹、農機具等の増減滅失する農業用動産については、贈与時から相続時までたえず現況把握をしないと両時点における同一性の把握ができないので、これらを特例措置の対象とすることは困難である。

 右答弁する。




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