衆議院

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昭和四十四年五月二日受領
答弁第六号
(質問の 六)

  内閣衆質六一第六号
    昭和四十四年五月二日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 石井光次郎 殿

衆議院議員小澤貞孝君提出養鶏振興に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員小澤貞孝君提出養鶏振興に関する質問に対する答弁書



(一) 鶏卵輸入抑制について

(イ) 液卵の輸入は既に自由化されており、国際貿易の大勢上割当制度に戻すことは困難と考える。また、数量も国内需要量の数パーセントであるので、全体としては影響はないものと思われるが、卵価低迷時には価格回復を遅らせる要因となるおそれがあるので、輸入商社に対し節度ある輸入を行なうよう指導を行なつているところである。
(ロ) 国交未回復国である中国からの鶏卵輸入については、僅少な数量なので影響はないと考えている。
(ハ) 今年度設置を図る鶏卵出荷合理化施設はモデル施設として設置するものであり、その成果を見極めつつ普及を図つてまいりたい。

(二) 鶏卵出荷合理化施設の普及について

(イ) 本年度設置を図る鶏卵出荷合理化施設は、モデル施設として鶏卵流通の画期的合理化を図る拠点として設置するものであるから地方養鶏地帯に対する普及は、この施設の設置の成果を見極めつつ行なつてまいりたい。
(ロ) この施設はモデル施設であるから補助率も三分の一(通常は五分の一)に引上げており、また、設置場所については、都道府県もその設置を円滑ならしめるよう補助を行なうところを優先することといたしたい。
(ハ) この施設が共同利用施設として設置される場合には、当然制度金融としての農業近代化資金の対象となる。

(三) 制度資金貸付け限度額の引上げと担保条件の緩和について

 生産性の高い養鶏経営の育成を図るため、農林漁業金融公庫の総合施設資金および豚鶏資金の融通のほか、農業近代化資金の融通を行ない、個々の農業経営の実態に応じた経営規模の拡大を推進しているところである。
 今後、生産性の向上を図るため経営規模の拡大を推進することは大切なことであり、大規模な経営の育成が望まれることはもちろんである。現在の飼養農家の経営規模の実態等も考慮すると、当面家族労働力を主体とする経営の育成を重点的に推進する施策をとることが望ましく、現行の制度資金の貸付限度内で、これらの育成は図られるものと考えられる。
 なお、担保の徴求については、極力その適正化、弾力化を図り、農業者に対する融資の円滑化を阻害しないよう努めているところであり、また、農業近代化資金の融資にともなう担保保証の徴求については、四十一年度における保証制度の改正の際、その趣旨にもとづき担保の徴求の緩和に努めるよう指導しているところである。

(四) 公害防止対策について

(イ) 鶏ふん乾燥機の脱臭装置については、農業機械化研究所をはじめ県の試験研究機関あるいは各企業においても開発が進められ、現在、水洗方式、再燃焼方式、土壌利用方式あるいは化学処理方式等による装置が用いられている。これらについてはそれぞれまだ問題があるものの年々改良が進んでおり、農林省としても問題の重要性にかんがみ積極的に推進する方向で検討いたしたい。
(ロ) 鶏ふん乾燥機の脱臭施設に対する融資措置としては、現在、農業近代化資金および農林漁業金融公庫豚鶏資金等により融資を行なつている。
    鶏ふんの悪臭問題を含め畜産公害の問題は、今後の畜産振興上重要な問題であるところから養豚および酪農等の問題も含めて処理利用技術の開発ならびに経営体の移転等について総合的に早急に検討の上所要の措置を講じたい。

(五) 税金の適正化について

(イ)1 養鶏の所得標準は、地域により卵価、産卵量等に差があつてその内容は一律でなく、各地域の実情に応じてそれぞれ作成している。
     概して四十三年分の所得標準は、四十二年分に比して増加しているが、これは卵価及び産卵率が上昇した反面、必要経費の七五パーセント程度を占めている飼料代が下落した結果によるものである。
    (注) 農林省の統計資料によると次のとおりである。

     (1) 産卵率の対前年比 一〇〇、九パーセント
     (2) 卵価の対前年比 一〇四、七パーセント
     (3) 飼料(配合)の対前年比 九八、七パーセント
     (4) その他の経費の対前年比 一〇六パーセント程度(推計)

   2 養鶏の所得標準は、多数飼育を行なうものに適用するものではなく、副業程度の飼育規模の場合を対象とするものであり、一般に、採卵および廃鶏処分による収入を収入金額とし、飼料代、衛生費、器具費、鶏舎等の減価償却費、廃鶏分の取得費(育成費を含む。)およびその他の経費を必要経費として成鶏の単位当たりの所得を算出したものである。

   3 養鶏の所得標準は、必ずしも各国税局一本でなく、同一国税局においても地域別に細分されている場合が多い。
     全国を通じて各地の所得標準(一羽当たり)の最低、最高を示せば次のとおりである。

    最 低 最 高
  四十三年 二〇〇円 三三〇円
  四十二年 一七〇円 二五〇円
  四十一年 二四〇円 三〇〇円
  四十年 六〇円 一六〇円
  三十九年 七〇円 三〇〇円

(ロ) 成鶏の減価償却の計算の基礎とする期間は、その地方における通常の採卵使用期間によることとしているが、その期間が明確でないときは専業養鶏業者の採卵期間を勘案して一応のメドを十八か月としているものである。

(ハ) 国産品種の研究開発のための支出については、税制上次の措置を講じている。

  (a) 開発研究のために特別に支出した額について、繰延資産として任意償却を認めている(所得税法第五十条、所得税法施行令第百三十七条第一項第一号、法人税法第三十二条、法人税法施行令第六十四条)。
  (b) 試験研究費の額が増加した場合について税額控除を認めている(租税特別措置法第十条の二、第四十二条の六、租税特別措置法施行令第五条の四、第二十七条の七)。
  (c) 開発研究用減価償却資産について特別の耐用年数表を適用している(減価償却資産の耐用年数等に関する省令第二条、別表第九)。
      なお、旧租税特別措置法第十二条及び第四十四条(開発研究機械等の特別償却)は、(b)の試験研究費の額が増加した場合の税額控除制度の創設に際し、その見合いで廃止されたものであるのでこれを復活することは適当でない。

(ニ) 固定資産税における田または畑の意義は、不動産登記事務取扱手続準則(昭和三十八年四月十五日付け民事甲第九百三十一号民事局長通達)における取扱いと同様、農耕地で用水を利用して耕作する土地または農耕地で用水を利用しないで耕作する土地をいうものであり、鶏舎用地は農地(田または畑)ではない。
    鶏舎の用に供される土地の地目は、宅地もしくは雑種地であるが、固定資産税の評価については、そのいずれの地目であつても当該土地の評価が変るものではない。

 右答弁する。


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