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答弁本文情報

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昭和四十五年十二月二十二日受領
答弁第二号
(質問の 二)

  内閣衆質六四第二号
    昭和四十五年十二月二十二日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 (注)田 中 殿

衆議院議員田代文久君提出タクシー労働者の労働条件の改善処置等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員田代文久君提出タクシー労働者の労働条件の改善処置等に関する質問に対する答弁書



一(イ)および(ニ)について

 自動車運転者の賃金形態については、交通事故防止の観点から、昭和四十二年二月九日付け労働省労働基準局長通達をもつて歩合給制度の改善を強力に指導してきたところであり、極端に労働者を刺激する累進歩合給はほとんど改善されてきたところである。
 表1については、累進歩合給であると考えられるから、前記労働基準局長通達にしたがつて改善指導をしてまいりたい。
 表2については、歩合給部分以外の固定給部分について明記されておらず、全体としての賃金が不明なので明確なことは言えないが、もし定額給部分も増額されていなければ全体として賃金が減額とならないよう指導してまいりたい。
 なお、昭和四十四年十一月二十一日の物価対策閣僚協議会および交通関係閣僚協議会の決定は、東京など六大都市に係るものであり、北九州市はこの決定の直接の対象になつていない。しかしながら、タクシー事業の体質およびサービスの改善対策として運転者の労働条件の改善は必要であるので、他の大都市についても運賃改訂認可にあたつては、関係の行政機関の間で密接な連絡をとりつつ事業者団体を通じ各事業者を指導しており、今後とも指導していく考えである。

一(ロ)について

 賃金の決定は、本来関係労使の自主的決定によることを原則とするものである。したがつて「足切り額」の引上げや、いわゆる「応量カツト」の採否については当該関係労使の話合いによつて決定すべきものと考える。
 極端に労働者を刺激する歩合給を採用している企業については前記労働基準局長通達にしたがい、その改善について強力に指導してまいりたい。

一(ハ)について

 使用者がその雇用する労働者の加入する労働組合との団体交渉を正当な理由なく拒否することは、労働組合法第七条の禁止するところである。しかしながら、使用者の具体的な行為が法の禁止する団体交渉の拒否に該当するか否かは労働委員会等が判断すべきものである。
 労働関係調整法に基づきあつ旋または調停を申請するか否か、これらの申請をした者がその申請を取り下げるか否かおよび再び申請を行なうか否かは、労働協約等に特段の定めのない限り、申請者の自主的判断にまつこととなる。
 労働委員会があつ旋または調停を行なう過程において紛争の相手方に対し出頭、事情説明等の要請を行なつた場合には、その要請を受けた相手方はこれに応ずべきものと考える。
 労働組合との間に締結された賃金に関する労働協約が有効である場合には、使用者は当該協約の規定にしたがつて賃金を支給する義務があると考える。

一(ホ)について

 道路運送法上の事業停止命令その他の行政処分は、労働関係法令に違反したという事実のみで直ちにその対象となるものではないが、前記のとおり極端に労働者を刺激する累進歩合給は、その改善について強力に指導するほか、今後ともタクシー労働者の労働条件の改善について関係行政機関の間で設定された相互通報制度により、密接な連絡を保ちつつ引きつづき監督指導を行なつてまいる考えである。

二について

 道路運送法第百二十五条の規定は、道路運送事業者等が同条各号に規定する事項の全部又は一部を行なうことを目的として団体を組織する場合における届出義務を定めたものであり、当該団体が同条各号に規定する事項以外の事項を業務の内容とすることを禁ずるものではない。
 ところで当該団体が社団法人である場合においても、定款の定めるところによりその事業としていわゆる労務対策に関する事業を行なうことはできるが、右の団体が参加事業者をして労働関係法令等に違反するような行為をさせることはもとより是認できないものであると考える。

三について

 自動車運送事業者が共同して団体を設立し、事業の適正な運営、道路運送秩序の確立等を図ることにより、公益の増進に資することは道路運送法の目的からみても望ましいことである。したがつて、増車基準の認可にあたり、単に抽象的に「事業者団体に協力する度合」をその基準にすることは適切ではないが、サービス改善運動など公益的な行事に積極的に参加協力するものに対しては、審査にあたつてこの点を考慮することはさしつかえないと考えている。

四(イ)について

 軌道の運転速度および度数の認可権限は、「軌道法の規定による主務大臣の職権を都道府県知事に委任する政令」第二条の規定により、都道府県知事に委任しているが、運輸省において調査したところ、道路交通の渋滞による影響のほかは、不規則な運転は行なわれていない。

四(ロ)について

 当該事業者からダイヤ編成の変更計画について、関係行政機関は説明をうけていない。

四(ニ)について

 もし申請があつた場合には知事が認可権者であるが、保安面およびサービス面での低下をきたさないよう今後ともより一層指導してまいりたい。

四(ハ)について

 昭和四十五年十月の西鉄の運賃改訂は、路面電車たる北九州線ではなく、地方鉄道である大牟田線および宮地嶽線を対象としたものであり、これは大都市における大量高速交通機関の通勤・通学輸送力を整備増強するために行なつたものである。
 しかし、路面電車についても、バスの輸送力を勘案しつつその適正輸送力を確保し、バス輸送とあいまつて路面交通の円滑を図るため万全を期していく所存である。

 右答弁する。




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