衆議院

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昭和四十六年一月二十六日受領
答弁第一号
(質問の 一)

  内閣衆質六五第一号
    昭和四十六年一月二十六日
内閣総理大臣 佐藤榮作

         衆議院議長 (注)田 中 殿

衆議院議員赤松勇君提出個人企業の税制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員赤松勇君提出個人企業の税制に関する質問に対する答弁書



 所得税の課税において、事業主報酬を認めることは、さきに昭和四十五年四月十日付内閣衆質六三第四号をもつて答弁したとおり、「個人に帰属するすべての所得を総合して課税するというのが所得税の建前であり、個人企業の事業所得は所せん事業主自身に帰属するものであるから、個人企業において事業主が自分に対して報酬を支払うと想定すること自体意味をなさないし、適当でない。」と考える。これに対し、昭和四十六年度税制改正案で創設しようとする「青色事業主特別経費準備金制度」は、個人事業者について青色申告の奨励、老後の保障、企業経理の健全化等を図ることを目的としているものである。号

一 政府としては、従来から企業経理を明確にし、企業の近代化を図るため鋭意努力を払つてきたところである。事業主報酬についても、これを経理上区分して計算することまで否定しているわけではないが、さらにこれについて課税の軽減を図ることは、上記のとおり税制の基本的建前に照らし認めがたいとしている次第である。
  青色事業主特別経費準備金制度の創設は、企業経理を明確化するための青色申告制度の普及促進に資するものであり、企業経営の近代化につながるものであつて、「零細個人業者を切り捨てる企業整備」などとは全く関係ないものである。

二 個人企業と法人企業との税負担のバランスという点については、政府は従来から常に配意しているところであつて、両者の負担の均衡は図られているものと考えている。

三 租税特別措置に対する政府の考え方は、その政策目的の合理性、政策手段としての有効性及び負担の公平を阻害する程度等を厳密に比較検討して、制度の流動的改廃に努めるということであり、この考え方には変わりはない。この青色事業主特別経費準備金制度も、このような考え方のもとに、青色申告制度の普及奨励という政策目的から租税特別措置として創設するものである。

四 準備金制度は、本来事業利益の一部を留保するものであるので、これを取りくずす段階では当然事業所得の収入金額とすべき性質のものである。しかし、青色事業主特別経費準備金制度は、事業主の老後の保障をその目的の一つとしていることでもあり、外部拠出であるたとえば小規模企業共済制度により共済金を受け取つた場合と同様に、特に一時所得として取り扱うこととするものである。

五 事業税は、事業活動と地方団体の行政との間の応益関係に基づき事業に対しその事業の規模に応じて課されるものであるが、個人事業税においては、低所得事業者の負担の軽減を図るために、特に事業主控除の制度が設けられている。
  明年度においては、最近における民間給与の上昇など更には税収入に及ぼす影響などを勘案し、本年度に引き続き事業主控除の額を四万円引き上げて三十六万円とすることといたしたいと考えている。

六 青色事業主特別経費準備金制度は、小規模企業共済制度が外部拠出であるのに対し、内部における積立てについても税制上同様に取り扱おうとするものである。

 右答弁する。


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