答弁本文情報
昭和四十九年六月七日受領答弁第三七号
内閣衆質七二第三七号
昭和四十九年六月七日
衆議院議長 前尾繁三郎 殿
衆議院議員小宮武喜君提出養鶏経営の安定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員小宮武喜君提出養鶏経営の安定に関する質問に対する答弁書
一について
鶏卵の卸売価格は、末端消費の伸び悩み等により、本年三月以降大幅に値下がりし、現在キログラム当たり二百十円程度となつている。
このため、既に全国液卵公社は、前年の三倍以上の鶏卵を市場から買い入れており、また、生産者団体の自主調整保管措置も実施しているところであるが、今後においてはこれらの措置の強化拡充と、近々に実施する消費促進措置等により、現在の価格を底として、鶏卵価格は、横ばいないし、強含みで推移するものと考えられる。
全国液卵公社については、本年度、買入基準価格の引き上げと買入数量の拡大を図るため、三億円(うち国二億円)の追加出資を行うこととしたところであり、買入基準価格については、四月一日からキログラム当たり二百六十円を目途とするよう大幅に引き上げられた。これらの措置と関連して全国液卵公社は、四月十七日以降既に二千八百トンと前年の三倍以上の買入れを行い、価格の安定に努めているところである。
今後とも、政府としては、鶏卵価格の動向を見つつ、生産者団体が実施している調整保管措置や卵価安定基金(全国鶏卵価格安定基金及び全日本卵価安定基金をいう。以下同じ。)の価格補てん事業と関連を保ちながら、必要に応じ、全国液卵公社が鶏卵を買い入れるよう指導することにより卵価の安定を図ることとしている。
政府としては、今後の価格動向を勘案しつつ、全国液卵公社の買入れ措置、生産者団体の調整保管措置と合わせ、消費の促進等を通じて鶏卵価格の安定等を図つていく所存である。
配合飼料価格については、これまでも主要メーカーに対し、必要な資料の提出を求め、その適正な価格の形成につき厳しく指導を行つてきたところである。今回においても、為替レートが円高傾向に推移していること、及び大豆油かす等一部の副原料価格が値下がりしたことから、配合飼料価格の値下げにつき指導した結果、全国農業協同組合連合会をはじめ配合飼料メーカーは、本年四月、今年の二、三月分についての為替差益の還元と五、六月(四月分については値下げ分相当額の還元)の配合飼料価格の工場建値の値下げを行つたところである。
今後においても主原料及び副原料の価格、円為替レート等の動向を考慮して必要に応じ値下げの指導を行つてまいりたい。
畜産経営特別資金融通助成事業(第三次)の実施に当たり、特に養鶏については、鶏卵の需要に見合つた計画的な生産の円滑な実施を図ることの重要性にかんがみ、市町村鶏卵需給調整協議会等が認める生産調整に協力する者に限り融資することとしている。
また、この融資に当たつては、卵価安定基金の加入者に対する貸付けについて優先的に配慮することとしている。
なお、農協、その他一般金融機関に対しては、今回の特別融資措置の趣旨に沿つて、円滑な融資が行われるよう、要請を行つているところである。