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答弁本文情報

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昭和五十一年十一月十二日受領
答弁第一五号
(質問の 一五)

  内閣衆質七八第一五号
    昭和五十一年十一月十二日
内閣総理大臣 三木武夫

         衆議院議長 前尾繁三郎 殿

衆議院議員島本虎三君提出伊達発電所パイプラインに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員島本虎三君提出伊達発電所パイプラインに関する質問に対する答弁書



一について

 発電所を組成する個々の電気工作物の工事計画は、電気事業法(以下「法」という。)第四十一条の規定により通商産業大臣の認可を要することとされており、これらの電気工作物を「伊達発電所パイプラインに関する統一見解」では「発電所に係る個別工作物」と表現したものであつて、特に問題はないものと考える。
 なお、伊達発電所を組成する機械、器具その他の発電のために設置する工作物は、いずれも右統一見解にいう「発電所に係る個別工作物」である。

二について

1 北海道電力株式会社は、法第八条第一項に基づく発電所の設置の許可申請の段階において本件パイプラインに係る法手続及び関係住民の意思を無視した事業計画を立てていたというのではなく、むしろ、許可後において本件パイプラインに係る安全対策及び環境保全対策に慎重を期するとともに、広報活動等を積極的に行つて関係住民の理解と協力を得るようできる限りの努力をしていたものであり、法第七条第三項に基づく指定期間の延長は止むをえないものであつたと考える。

2 北海道電力株式会社は、昭和五十年六月九日及び十日の両日伊達市関係住民に対して本件パイプラインの設置計画に関する説明会を開催しようとしたが、平穏のうちにこれを行う見通しがたたなくなり、混乱を回避するため止むなく断念し、別途、少人数を対象とした説明会を七十三回にわたり開催するとともに、環境保全に関する説明資料を配布し、地元住民に対して理解と協力を求めてきたと聞いている。

3 平穏のうちに説明会を開催できる見通しにないことは、はなはだ遺憾であり、通商産業省においては、北海道電力株式会社に対して、可能な手段を講じて関係住民との話合いを行う等地元の合意を得るために最大限の努力を払うよう指導してきた。

三について

(一)1 内閣衆質七七第三五号答弁書で「整備することとしている」とした資料は、北海道電力株式会社が作成した「伊達発電所パイプライン環境調査資料」(昭和五十一年六月)及び「敷設地盤の透水性について」(昭和五十年五月)等の補足資料である。号

   2 本件パイプラインの環境審査の資料は、右の三について(一)1で述べた「伊達発電所パイプライン環境調査資料」及び北海道電力株式会社が作成した「伊達、室蘭地方の地中温度」(昭和五十年九月)、「置換砂土質試験」(昭和五十一年四月)、「敷設地盤の透水性について」(昭和五十年五月)、「パイプライン経過予定地の交通量調査」(昭和五十年十二月)等の補足資料である。

   3及び(二)2 環境庁においては、北海道当局に対して本件パイプラインに関し環境保全上十分検討を行うよう指導したところであり、北海道当局がこれを受けて北海道電力株式会社に検討を指示した結果提出された報告書は、昭和五十一年五月に同社が作成した「伊達発電所パイプライン設置に係る環境保全対策及び同資料編」である。
     なお、環境庁における検討は、法第四十一条に基づく工事計画認可に際し通商産業省が作成した「伊達発電所パイプライン環境審査報告書」(昭和五十一年九月)に基づいて行われたところである。

(二)1 地下水の流向、流速及び層厚を判断する資料については、いずれも右の三について(一)1で述べた「伊達発電所パイプライン環境調査資料」に含まれている。

四について

 本件パイプラインが地下水に与える影響に関する環境審査は、地下水の管轄責任の所在とは
 別に、電気事業を所管する通商産業大臣が専ら電気工作物に係る環境保全上の見地から行つたものであり、これを行うに当たつては、環境庁に対して意見を照会した。

五について

 御指摘の本件パイプライン設置による地下水への影響については、法第四十一条に基づく認可の際に環境審査を行つたものであるが、この審査は、右の三について(一)1で述べた各資料に基づいてなされたものである。

六及び七について

 本件パイプラインの植生への影響の有無については、パイプラインの敷設に係る土中温度分布予測結果に基づく用地境界部における土中温度への影響と、植被、土質、日射等の地表面付近の土中温度への影響を総合的に判断すべきものであると考えている。したがつて、「深さ五〇センチにおいて摂氏四〇度以下」というような一律の判定基準は採用していない。
 なお、本件パイプラインの植生への影響に関する環境審査に当たつては、耕作地周囲の樹木への悪影響が生じないよう配慮している。

 右答弁する。




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