答弁本文情報
昭和五十二年十一月二十九日受領答弁第一九号
(質問の 一九)
内閣衆質八二第一九号
昭和五十二年十一月二十九日
内閣総理大臣 福田赳夫
衆議院議長 保利 茂 殿
衆議院議員小林進君提出金在権元公使からの事情聴取に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員小林進君提出金在権元公使からの事情聴取に関する質問に対する答弁書
1 政府としては、去る六月下旬の米下院国際関係委員会国際機構小委員会における金炯旭元韓国中央情報部長の金大中事件に関する証言に関連して、同証言の基となつている金在権元駐日韓国大使館公使から、直接に任意の事情聴取を行うべく、米国政府とその可能性について打合せを進めていた。
2 これに対し、八月十七日米国務省より在米大使館を通じ次のとおり通報越した。
「日本政府からの要請については、米国政府としては、金在権氏の同意を条件として、米国内で日本側が直接事情聴取を行うことに異議はないので金在権氏本人の意向を確認すべく、米政府当局は同人と接触した。
金在権氏は、日本側当局の事情聴取に応じるべき理由はないと思うが、他方聴取に応じることに反対はないとのことであつた。ただし、現在、金在権氏の家族は米国内で新しい生活を設定するべく努力しているところであり、マスコミ等の注目を避けるため、米国内での事情聴取には応じたくないとのことであつた。」
3 政府としては、かかる金在権氏の意向にかんがみ、米政府当局を通じて、(1)金在権氏としては近い将来米国外に出る予定はあるのかどうか、及び(2)金在権氏としては、場所の問題を含めて、どのような条件が満たされれば事情聴取に応ずる意向があるのか等につき更に金在権氏の意向の確認を進めてもらいたいということで、八月下旬米国政府に対し、再度我が方在米大使館より申入れを行つた。
4 更に、我が方より再度申入れを行つてから相当の時間が経過したので、十月上旬国務省を通じ金在権氏よりの回答を督促した。
5 その後も、金在権氏より何らの応答のなかつたことにかんがみ、更に十月下旬国務省を通じ、同氏よりの回答を督促した。
右答弁する。