答弁本文情報
昭和五十三年五月十九日受領答弁第三四号
内閣衆質八四第三四号
昭和五十三年五月十九日
衆議院議長 保利 茂 殿
衆議院議員上原康助君提出返還軍用地の適正な管理費補償と跡地利用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員上原康助君提出返還軍用地の適正な管理費補償と跡地利用に関する質問に対する答弁書
一及び三について
御質問の通達は、沖繩県にある位置境界不明地には特殊事情があることにかんがみ、駐留軍ノ用ニ供スル土地等ノ損失補償等要綱(昭和二十七年七月四日閣議了解)第四条に基づき、米軍の用に供していた当該土地が所有者に返還された場合の管理費の額の特例を定めたものであり、この管理費の額の特例を定めるに当たつては、復帰前琉球政府によつてなされた地籍確定作業の事例等を参考の上、原則として、関係土地所有者による位置境界の確認の協議に必要と認められる期間としての一年分の借料相当額とその協議成立後登記までに要すると認められる期間における当該土地の利用の制約の度合等を考慮したものとしての借料相当額一年分の十分の一の額とを合計して算定しているところである。また、復帰後行われている位置境界明確化作業の事例に照らしても、通常の場合には、右の管理費の額は妥当であると考える。
なお、右の金額の支払は、当該土地の所有者との合意により行うものであるが、現在までに米軍から返還された位置境界不明地については、管理費を支払済みであるか、又は所有者と協議中であるかのいずれかである。
返還跡地については、返還時において地主に対し原状回復補償を行つてきているところであるが、更に、沖繩の狭あいな土地の有効利用を進めるため、生活環境の整備、第一次、第二次産業等への土地利用の促進、無秩序な開発行為の規制等を図ることが必要と考えている。
このような趣旨から、今後、必要に応じ、具体的な事業計画に即して公共事業等の推進を図つてまいりたい。
また、沖繩県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法第十九条に関しては、政令で特に措置する必要はないと考えているが、同条に規定する事業の実施が必要な場合には、現行の法律、予算措置を十分活用し、土地の有効利用の促進に資することといたしたい。