答弁本文情報
昭和五十四年三月十三日受領答弁第九号
(質問の 九)
内閣衆質八七第九号
昭和五十四年三月十三日
内閣総理大臣 大平正芳
衆議院議長 ※(注)尾弘吉 殿
衆議院議員岩垂寿喜男君提出「日本国との平和条約第十九条」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員岩垂寿喜男君提出「日本国との平和条約第十九条」に関する質問に対する答弁書
「日本国との平和条約」第十九条(a)の規定に基づき、我が国は、単に戦争の遂行に関連して生じた請求権のみならず、「この条約の効力発生の前に日本国領域におけるいずれかの連合国の軍隊又は当局の存在、職務遂行又は行動から生じたすべての請求権」を放棄しているところである。
また、政府としては、「日本国との平和条約」によつてかかる措置がとられたことに関し、当該請求権を有していた者に対して国が補償を行う法律上の責任はないとの立場に立つている。かかる立場は、最高裁判所の判例(昭和四十三年十一月二十七日大法廷判決及び昭和四十四年七月四日第二小法廷判決)の趣旨とも合致するものと考えられる。更に、御質問の日南興業株式会社に係る請求権問題に関し、米国政府が日本国政府に損害賠償の責任があることを主張しているとは考えられない。
なお、本件請求権問題については昭和四十九年九月二十四日東京地方裁判所が言い渡した判決(原告敗訴)が確定したと承知している。
右答弁する。