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答弁本文情報

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昭和五十四年四月二十七日受領
答弁第二〇号
(質問の 二〇)

  内閣衆質八七第二〇号
    昭和五十四年四月二十七日
内閣総理大臣 大平正芳

         衆議院議長 (注)尾弘吉 殿

衆議院議員山花貞夫君提出日本アイ・ビー・エム株式会社の労使紛争に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山花貞夫君提出日本アイ・ビー・エム株式会社の労使紛争に関する質問に対する答弁書



一から三までについて

(1) 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下「日本アイ・ビー・エム」という。)と総評全国金属労働組合日本アイビーエム支部(昭和四十五年九月ころまでは、日本アイ・ビー・エム従業員組合)(以下「全金日本アイビーエム支部」という。)との間においては、昭和三十九年以降、主として、組合員の昇給・昇格、配置転換、会社施設内における組合活動等の問題について紛争が生じ、これらの問題に関し、組合員等から、東京都地方労働委員会に対して一件、神奈川県地方労働委員会に対して三件、愛知県地方労働委員会に対して二件、大阪府地方労働委員会に対して一件、合計七件の不当労働行為救済の申立てが行われ、そのうち、神奈川県地方労働委員会及び大阪府地方労働委員会に対する四件の申立てについては申立ての全部又は一部を認容する旨の命令が出され、東京都地方労働委員会及び愛知県地方労働委員会に対する三件の申立てについては、現在、これらの地方労働委員会に係属中であり、審問又は審問後の手続が進められている。
    右の四件の命令に対し、日本アイ・ビー・エムからはそのすべてについて、全金日本アイビーエム支部側からは神奈川県地方労働委員会の二件の命令について、それぞれ中央労働委員会に再審査の申立てが行われ、そのうち、神奈川県地方労働委員会の一件の命令に対する申立てについては和解により解決され、残りの三件の命令に対する申立てについては、現在、中央労働委員会において審問の手続が進められている。
    政府としては、以上のとおりであると聞いている。

(2) 昭和四十八年以降、全金日本アイビーエム支部から関係の労働基準監督署に対して、主として、労働基準法に規定する管理監督者の範囲、割増賃金、労働者の危害防止措置等の問題に関し十一件の申告が行われているが、これらの申告については、関係の労働基準監督署等において、実態調査を実施し、そのうち不適当と思われるものについては速やかに改善するよう指導を行い、これに対し日本アイ・ビー・エムからそれぞれ所要の措置を講じた旨の報告を受けている。
    また、昭和四十八年以降、東京労働基準局管内に所在する日本アイ・ビー・エムの各事業場に対して労働基準法違反として勧告をした事実はないが、同法上の管理監督者の範囲に関する申告に関連して、昭和四十九年十二月五日、東京労働基準局長名で、一部のスタッフマネージャーについては同法第四十一条第二号の監督又は管理の地位にある者として取り扱うことは適当でないので改善措置を採るべきである旨の指導を行い、これに対し日本アイ・ビー・エムから所要の措置を講じた旨の報告を受けている。

四について

 日本アイ・ビー・エムは、インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション(以下「IBM本社」という。)の全額出資の子会社である米国法人IBMワールド・トレード南北アメリカ・極東コーポレーション(通称AFE)が全額出資しており、資本関係においてはIBM本社の完全子会社である。
 一方、IBM本社は、世界各国にあるその子会社の経営を現地人にゆだねる方針を取つており、日本アイ・ビー・エムも役員は、非常勤役員一人を除きすべて日本人であると聞いている。

五について

 いわゆる多国籍企業であるかどうかを問わず、使用者が我が国の労働関係諸法規を遵守すべきことは当然のことであり、政府としては、かねてから、あらゆる機会を通じて労働関係諸法規の周知徹底を図る等の努力をしてきたところであるが、日本アイ・ビー・エムに対しては、これに加えて、労働基準監督機関において監督指導を実施したほか、その労使紛争について関係者から事情を聴取し、必要な助言等を行つたところである。
 政府としては、労働委員会に係属中の問題についてはとかくの見解を述べるべき立場にないが、いずれにせよ、本件労使紛争について、労使当事者の自主的解決への努力に期待しつつ、労使当事者間の話合いを促進する等紛争の早期かつ円満な解決のために努力してまいりたい。

 右答弁する。




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