答弁本文情報
昭和五十四年四月二十日受領答弁第二一号
内閣衆質八七第二一号
昭和五十四年四月二十日
衆議院議長 ※(注)尾弘吉 殿
衆議院議員瀬野栄次郎君提出食品衛生監視行政に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員瀬野栄次郎君提出食品衛生監視行政に関する質問に対する答弁書
一について
1 都道府県及び保健所を設置する市(特別区を含む。)が置いている食品衛生監視員の都道府県別の数は、昭和五十二年末現在において別表第一の第二欄のとおりである。
2 食品衛生監視員の職務は、食品衛生法第十九条第一項に定められているとおり、同法第十七条第一項に規定する営業施設等の臨検検査及び食品等の収去の職権の行使並びに食品衛生に関する指導に従事することである。
3 飲食店その他の営業等の施設については、食品衛生法施行令第三条において営業等の施設の種類ごとに監視又は指導の回数の基準が定められている。
4 食品関係営業等の都道府県別の施設数は、昭和五十二年末現在において別表第一の第三欄のとおりである。
1 食品としての農作物が農薬の残留基準に適合しているかどうかを判定する試験を行うために当該農作物を収去する場所は、主に市場、販売業者の店舗であり、また、試験が行われる場所は、都道府県等の衛生研究所等である。
当該試験の実施状況については、厚生省が承知している資料によれば、昭和四十八年度から五十年度までの試験件数は次のとおりである。
昭和 | 四十八年度 | 一、〇一五件 | |
同 | 四十九年度 | 九二一件 | |
同 | 五十年度 | 九〇五件 |
2 試料抜き取りから試験終了までの所要日数は、試験の対象物及び試験の対象となる農薬の種類、試験件数等試験施設における業務の状況によつて異なり、厚生省が承知しているところでは、おおむね一〇日から四か月となつている。
3 農薬の残留基準を含め、食品が食品衛生法第七条第一項に基づく規格基準に適合するかどうかの試験の結果は、食品の種類ごとに、四半期ごとに国に報告を求めることとしているが、当該報告においては農薬の残留基準に関する試験結果について特に他と区別して報告を求める取扱いにはなつていない。
食品における農薬の残留に関する試験結果については、必要に応じ、当該試験を行つた都道府県等から国に対し報告が行われ、また国からも報告を求めており、その件数は1において述べたとおりである。
4 1において述べた昭和四十八年度から五十年度までの試験の結果については、その約九九パーセントが基準に適合している。
基準に適合していない農作物については、食品衛生法第二十二条の規定に基づき、必要に応じ、廃棄、回収等の措置を講じさせることとしているほか、原因を調査した結果、農薬の使用実態に問題がある場合には、その生産地及び生産農家に対し、農薬安全使用基準にのつとつて適正な使用が確保されるよう、指導の徹底を図ることとしている。
5 農薬の残留に関し食品衛生法の規定に基づく検査の対象となる農作物は、同法第七条第一項の規定に基づき農薬の残留基準が定められている米、きゆうり、キャベツ等五三品目である。
三について
1 食品における農薬の残留基準は、急性及び慢性毒性試験の結果、次世代に及ぼす影響に関する試験の結果等の毒性学的資料から算出された人体許容一日摂取量等を基に、食品衛生調査会の意見を聴いて設定している。
2 食品における農薬の残留基準は、他の農薬との相乗作用、慢性毒性等を配慮し、動物実験の結果に十分な安全率を見込んで設定している。
農薬事故に係る年次別の死亡者数及び中毒者数については、別表第二のとおりである。
奇形児の出生については各種の調査があるが、観察の時期、期間又は精度、奇形の定義等に違いがあることから調査によつて差があり、奇形児の出生頻度の正確なは握は学問的にも困難な状況にある。
後期死産の推移は、別表第三のとおりである。
1 ベーチェット病の調査研究は、昭和四十七年度以降、特定疾患べーチェット病調査研究班において継続されており、昭和五十二年度の研究結果については、「昭和五十二年度研究業績」として公表されている。研究の重点は、本疾患の原因究明、治療法の改良に置かれており、原因究明については、細菌若しくはウイルス、免疫異常又は代謝異常との関連、発症に関連する宿主の素因の問題、あるいは、化学物質の関与の有無など、多角的な研究が進められているが未だ結論は得られていない。
2 「昭和五十一年度研究業績」によれば、全国のべーチェット病患者数は、約一万一、〇〇〇人と推定される。患者ほ全国的に分布しているが、やや北日本に多い傾向がうかがわれる。
眼症状を合併する患者は全体の約七〇パーセントであり、そのうち失明者(視力〇・〇一以下の患者)は約三〇パーセントとされている。
別表第一
食品衛生監視員数及び食品関係営業等施設数


別表第二
農薬事故死亡・中毒者数

別表第三
後期死産の推移
