答弁本文情報
昭和五十四年七月三日受領答弁第四二号
内閣衆質八七第四二号
昭和五十四年七月三日
衆議院議長 ※(注)尾弘吉 殿
衆議院議員玉城栄一君提出沖繩県における米国軍隊の軍事演習に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員玉城栄一君提出沖繩県における米国軍隊の軍事演習に関する再質問に対する答弁書
一について
御質問の「行軍」という活動がいわゆる「軍事演習」であるかどうか、その地位協定上の取扱いがどうなるかについては、このような活動の個々の目的、態様等の具体的な実態に即し、合理的に判断されるべきものであると考える。
合衆国軍隊の部隊がある施設・区域から出て施設・区域外において行動し、再び同一の施設・区域に入るという活動を行つた場合に、これが地位協定第五条にいう移動として認められるかどうかという点については、このような活動の個々の目的、態様等の具体的な実態に即し、合理的に判断されるべきことであり、一般的に述べることは困難である。
なお、最近、沖繩県において、いわゆる「行軍」として問題とされた合衆国軍隊の活動については、具体的事実関係を調査した結果、地位協定第五条にいう移動としては必ずしも理解されないような態様で行われたものもあつたので、米側に対し、同条の趣旨を徹底させるとともに、今後日米双方が連絡を密にし、同条の一層適切な運用を図つてゆきたい旨申し入れ、米側もこれに協力を約したところである。
自衛隊の演習場についても、それが施設・区域として提供されていない場合には、施設・区域外ということになり、かかる施設・区域外で合衆国軍隊がいわゆる「軍事演習」を行うことについては、御指摘の答弁書中三についてにおいて答弁したとおりである。
なお、自衛隊の演習場であつても、地位協定第二条4(b)の規定に従い、施設・区域として合衆国軍隊の使用に供することができることになつている。
地位協定第二条4(a)又は第三条の規定に基づき、自衛隊は、施設・区域を共同使用することができる。したがつて、自衛隊は、施設・区域内において、同協定で認められる共同使用の範囲内で、「軍事演習」と称されるものを含め活動を行うことができる。