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答弁本文情報

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昭和五十四年七月十三日受領
答弁第五一号
(質問の 五一)

  内閣衆質八七第五一号
    昭和五十四年七月十三日
内閣総理大臣 大平正芳

         衆議院議長 (注)尾弘吉 殿

衆議院議員竹本孫一君提出私人である台湾島民の日本国に対して有する債権に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員竹本孫一君提出私人である台湾島民の日本国に対して有する債権に関する質問に対する答弁書



一及び三について

 これまでに郵政省において、軍事郵便貯金につき、預金者の氏名、住所等を手懸かりとして台湾住民のものと推測されるものを分別するとともに、預金高の照会をはじめとする台湾住民からの二万件を超える各種の照会、申告等に対しそれぞれ回答を行つてきている。
 台湾住民の有する軍事郵便貯金等の支払については、全般的な財産、請求権問題が未解決であることとの関連で、保留してきている。引き続き関係各省間で意見の調整を図りこれが解決に努めたい。

二について

 台湾記号の郵便貯金の原簿の返還方については、昭和二十七年の日華平和条約締結以来、昭和四十七年の日中国交正常化に至るまでの間、外務省から台湾当局に対して数次にわたり申入れをしたが、同当局の同意を得なかつた。

四について

 閉鎖機関株式会社台湾銀行及び同横浜正金銀行の預金等の支払については、国は、閉鎖機関令(昭和二十二年勅令第七十四号)上、閉鎖機関の債務を承継ないし保証しているものではなく、応じ難い。

五について

 支那事変国庫債券及び大東亜戦争国庫債券の償還については、国債に関する法律(明治三十九年法律第三十四号)により消滅時効が完成しており、応じ難い。

六及び七について

 日本銀行券預入令(昭和二十一年勅令第八十四号)制定当時通用していた日本銀行券(五円券、拾円券、弐拾円券、百円券、弐百円券及び千円券)については、同令によりその通用力を失つており、御指摘のような措置を採ることは考えていない。また、軍票についても、御指摘のような措置を採ることは考えていない。

八について

 戦時貯蓄債券・報国債券及び勧業割引債券については、(旧)臨時資金調整法(昭和十二年法律第八十六号)及び(旧)日本勧業銀行法(明治二十九年法律第八十二号)により消滅時効が完成していると承知しているが、その処理については発行主体第一勧業銀行が判断すべきものであると考える。

九について

 金銭の給付を内容とする債権については、一般に債務者は、弁済期において強制通用力を有する貨幣により契約に基づく債務額を支払えば足り、契約時と弁済期との間に貨幣価値の変動が生じたとしても、その変動に従つて、当然に債権額が修正変更されるものではない。

 右答弁する。




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