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答弁本文情報

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昭和五十四年九月七日受領
答弁第五号
(質問の 五)

  内閣衆質八八第五号
    昭和五十四年九月七日
内閣総理大臣 大平正芳

         衆議院議長 (注)尾弘吉 殿

衆議院議員山花貞夫君提出株式会社電業社機械製作所の労使紛争に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員山花貞夫君提出株式会社電業社機械製作所の労使紛争に関する質問に対する答弁書



一及び二について

1 株式会社電業社機械製作所(以下「会社」という。)の三島工場においては、昭和五十年一月、総評全国金属労働組合静岡地方本部電業社支部(以下「全金電業社支部」という。)と会社との間に、団体交渉の労働組合側出席者の範囲を巡つて交渉拒否問題を生じたことを直接の契機として、以後団体交渉、賃金引上げ、夏季一時金の支給、警備員の雇用等の問題について種々の労使紛争が生じ、団体交渉、賃金引上げ、夏季一時金の支給等の問題については昭和五十年十二月、静岡県地方労働委員会(以下「静岡地労委」という。)のあつ旋により、残余の問題については昭和五十二年八月、労働協約の締結により、それぞれ一応の解決をみたが、
  その後、労使紛争が再燃し、現在主として定年退職者の再雇用、昇給・昇格、団体交渉等の問題に関し労使紛争が継続していると聞いている。

2 昭和五十年以降、全金電業社支部、総評全国金属労働組合等から、東京都地方労働委員会(以下「東京地労委」という。)に対して団体交渉の拒否等の問題につき二件の不当労働行為の救済申立てが、静岡地労委に対して全金電業社支部に対する支配介入、団体交渉の拒否、定年退職後の再雇用、昇給・昇格等の問題につき六件の不当労働行為の救済申立てが行われた。東京地労委に対する右二件の申立て及び静岡地労委に対する申立てのうち一件の申立てについては取り下げられ、右静岡地労委に対する申立てのうち残りの五件については現在同地労委に係属中であると聞いている。

3 昭和五十年以降、全金電業社支部等から静岡地方裁判所沼津支部に対して、団体交渉の拒否、夏季一時金の支給及び定年退職後の再雇用の問題に関し三件の仮処分申請が行われ、これらについてはいずれも申請を認容する旨の決定が出されたと聞いている。

4 昭和五十年以降、全金電業社支部から三島労働基準監督署に対して行われた労働基準法(以下「労基法」という。)違反の申告及びその処理の状況は、次のとおりである。

 (一) 組合員に対して夏季一時金の支払いが行われていないとして昭和五十年七月十七日に行われた申告については、監督を実施したところ労基法違反は認められなかつた。

 (二) 組合員一名に対して労基法第三十九条の年次有給休暇を会社が認めないとして行われた申告については、監督を実施したところ同条違反が認められたので、会社に対しその是正を勧告した。本件については、その後是正されたことを確認している。

 (三) 労基法第三十六条に基づく協定が締結されていないにもかかわらず時間外労働を行わせているとして行われた申告については、監督を実施したところ労基法第三十二条及び第三十五条違反が認められたので、会社に対しその是正を勧告した。本件については、その後是正されたことを確認している。

 (四) 二交替勤務制に係る就業規則の変更届を労働基準監督署に提出していないとして昭和五十三年十月三十日に行われた申告については、監督を実施したところ労基法違反は認められなかつた。

 (五) 定年後の再雇用及び昇給等につき組合員を差別している等として昭和五十四年七月二十三日に行われた申告については、現在調査中である。

5 静岡県三島警察署において受理した告訴等の取扱い状況は次のとおりである。

 (一) 会社構内に立つていた組合旗を会社側が昭和五十年六月三十日に撤去したとして告訴のあつた窃盗事件については、被疑者九名を取り調べ、同年十月二日、静岡地方検察庁沼津支部(以下「地検沼津支部」という。)へ送付した。本件については、地検沼津支部において不起訴処分に付されている。

 (二) 会社が臨時に雇つた警備員によつて昭和五十年八月二十六日に引き起こされた全金電業社支部の組合員に対する傷害事件の被害申告については、被疑者一名を取り調べ、同年九月十六日、地検沼津支部に送致した。本件については、起訴後裁判で罰金刑が確定している。

 (三) 昭和五十年六月十六日から同年九月十六日までの間、会社の三島工場へ警備員を派遣していた株式会社ラピアについては、警備業法違反として被疑者二名を取り調べ、一法人二名を同年十二月六日、地検沼津支部へ送致した。本件については、東京地方検察庁へ移送後法人及び被疑者一名について不起訴処分に付され、残り一名について起訴後裁判で罰金刑が確定している。

6 昭和五十年以降、静岡地方法務局が受理した人権侵害の申告は二件あり、一件は、会社が全金電業社支部の組合員に対し日付空白の退職願等の提出を強要したというものであり、人権侵犯の事実が認められたので会社及び三島工場の代表者に対し説示した。他の一件は、会社が同組合員に対し組合からの脱退強要等の人権侵害を行つているというものであり、現在調査中である。

三について

 会社の昭和五十五年三月期における年間の売上高は、現時点においては明らかではないが、最近二年間の売上実績を見ると、昭和五十二年度は百三十三億円、昭和五十三年度は百二十八億円であり、両年度ともその約八割が官公需関係の受注であると聞いている。
 御指摘のあつた八件の機械器具製品は、いずれも同社が受注したものであると聞いている。

四について

 政府としては、従来から関係機関を通じ、会社に対して必要な助言、指導を行うとともに、違法な行為については厳正な措置を行つてきたところであるが、今後とも必要に応じ労使の話合いを促進する措置を講ずる等紛争の早期かつ円満な解決のために努力してまいりたい。

 右答弁する。




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