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答弁本文情報

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昭和五十四年十二月十八日受領
答弁第六号
(質問の 六)

  内閣衆質九〇第六号
    昭和五十四年十二月十八日
内閣総理大臣 大平正芳

         衆議院議長 (注)尾弘吉 殿

衆議院議員小川国彦君提出特殊法人「日本中央競馬会」の出資による「日本発馬機株式会社」の不正事件発生にかかる農林水産大臣の監督責任に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員小川国彦君提出特殊法人「日本中央競馬会」の出資による「日本発馬機株式会社」の不正事件発生にかかる農林水産大臣の監督責任に関する質問に対する答弁書



一について

 日本中央競馬会(以下「競馬会」という。)による日本発馬機株式会社(以下「日本発馬機」という。)の株式取得については、昭和五十二年度収支予算作成の際に既に予定されていた。

二について

 競馬会が日本発馬機に対し昭和四十九年度及び昭和五十年度に協力金を支出することについては、昭和四十九年度予算においては(勘定)業務勘定(款)競馬事業費(項)事業諸費、昭和五十年度予算においては(勘定)業務勘定(款)競馬事業費(項)開催費((項)事業諸費の名称変更)からそれぞれ支出することとされていた。
 なお、競馬会からの報告によると、同会から日本発馬機へ支出された協力金については、現在のところ、本年十二月末日までの返済は困難であり、返済期限の延長を検討しているが、最終的には、同社所有の発馬機等の機械に物的担保を付しているので、回収はできるとのことである。

三について

1 競馬会が日本発馬機の株式を取得することについては、慎重に検討した結果、その取得が同会の業務上必要であると判断したものである。この株式取得と今回の事態の発生とは何ら関係がないと考えている。

2 今回の日本発馬機の不正事件の主因は、同社の一部役員の悪質な背任行為のほか、同社内部の業務執行体制の欠陥にあるものと考えられるが、競馬会が同社との取引に関して厳正を欠いていた点も認められ遺憾であると考えている。

3 競馬会の協力金の支出に当たつては、同会に対し、債権保全措置を含め適切な条件により支出を行うよう指導を行つているところである。

三の4及び四の8について

 競馬会に対しては、日本中央競馬会法に基づき、収支予算及び事業計画の認可、同会に対する業務検査等を通じて業務運営の適正化を図つてきたところであり、また、競馬会の出資及び協力金の支出については、その出資等が同会の業務の執行上必要と認められる場合に限定しているところである。今後とも同会に対する指導監督に遺憾なきを期してまいりたい。
 なお、今回の日本発馬機の不正事件は、特異な例であると考えているが、農林水産省においては競馬会に対し、同会が出資している法人の業務運営及び内部管理体制について再点検を行い、不正事件防止体制の確立に万全を期するよう通達したところである。

四の1から7までについて

1及び2 協力金の支出については、予算の認可に当たつて確認しているところである。

3 株式会社宏和に対する協力金の目的である場外勝馬投票券発売所の建設に対する反対運動のため、予定していた建設が不可能になるという事態は、収支予算の認可の時点においては、予想し得なかつたものである。

4 当該場外勝馬投票券発売所の建設が不可能となつたことは遺憾であるが、競馬会に対しては、協力金について債権保全措置を含め適切な条件により支出するよう指導を行つてきたところである。

5から7まで 競馬会の場外勝馬投票券発売所建設のための協力金については、同会独自の業務の必要性に基づくものであるが、一般にビルの賃貸借においては保証金の性格を持つ資金の融通が行われており、同会の協力金もこれと同様の性格を持つものである。
  なお、協力金を支出する場合には、権利金、敷金は支出しておらず、また、賃借料及び協力金に係る条件については、民間における事例に徴すれば妥当なものと考えている。

五について

1 競馬会からの報告によれば、会計検査院から次の点について不当事項等として指摘を受け、それぞれ所要の改善措置を採つたとのことである。

(一) 昭和五十年の中山競馬場屋外表示装置改修工事の施行に当たり、必要以上の電光盤ユニットを製作したため、工事費が不経済になつたもの

(二) 昭和五十二年から五十三年にかけて福島競馬場の電力需給契約において、電力の使用実績が契約電力を下回つているのに契約電力変更の措置を採らなかつたため、電気料金が不経済に支払われていたもの

(三) 昭和五十二年から五十四年にかけて建築工事等における配管、配線工事費の積算において、労務費等の積算が適切でなかつたもの

2及び3 会計検査院の検討の有無及び検討の内容については、承知していない。

六について

1及び2 特殊法人百十一のうち、行政監察の調査対象法人としてその業務を包括的に調査し得ることとされているのは、公社、公庫、公団及び事業団の四十八法人に限定されており、競馬会はそれに含まれていない。
  公社、公庫、公団及び事業団の業務について包括的に調査し得ることとされたのは、一般にこれらの法人の業務が極めて公共性が強く、その活動が国の経済社会面において大きな比重を占めるものであるとされたためであると理解している。

3 行政の公正確保及び行財政の簡素、効率化を目的として各般の行政事務の実施状況を調査し勧告を行う行政監察の機能を十分に発揮させるために行政監察調査対象法人の範囲を拡大することについては、十分検討いたしたい。

 右答弁する。




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