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答弁本文情報

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昭和五十五年十一月十八日受領
答弁第一〇号
(質問の 一〇)

  内閣衆質九三第一〇号
    昭和五十五年十一月十八日
内閣総理大臣 鈴木善幸

         衆議院議長 福田 一 殿

衆議院議員森井忠良君提出株式会社東洋シートの労使紛争に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員森井忠良君提出株式会社東洋シートの労使紛争に関する質問に対する答弁書



一から三までについて

1 総評全国金属労働組合東洋シート支部(以下「支部」という。)においては、総評全国金属労働組合(以下「全金」という。)からの脱退問題を巡り意見の対立が生じ、昭和五十四年四月から五月にかけて、支部の組織に変動が生じた。
  昭和五十四年四月以降、支部、全金等から株式会社東洋シート(以下「会社」という。)に対して、再三にわたり団体交渉の申入れが行われたが、会社は、いずれの申入れについても、これを拒否して紛争が生じている。また、昭和五十四年の夏季一時金、同年の年末一時金及び昭和五十五年の夏季一時金の支給の問題等についても紛争が生じている。

2 東京地方労働委員会(以下「都労委」という。)及び広島地方労働委員会(以下「広島地労委」という。)から出ている救済命令の内容及び会社の履行状況については、次のとおりである。

 (一) 昭和五十四年十一月、都労委は、会社に対し、団体交渉を拒否してはならないとの命令を発したが、会社はこれを不服として、同月、中央労働委員会(以下「中労委」という。)に再審査の申立てを行い、現在、中労委において審問後の手続が進められている。

 (二) 昭和五十五年八月、広島地労委は、会社に対し、組合員に対する脱退しようようの禁止等の命令を発したが、会社はこれを不服として、同年九月、中労委に再審査の申立てを行い、現在、中労委において審問前の手続が進められている。

 (三) 昭和五十五年九月、都労委は、会社に対し、昭和五十四年の年末一時金について、他の従業員と同一内容で支払うこと等の命令を発したが、会社はこれを不服として、同年十月、中労委に再審査の申立てを行い、現在、中労委において審問前の手続が進められている。

3 支部又はその組合員から、広島地方裁判所(以下「広島地裁」という。)及び神戸地方裁判所(以下「神戸地裁」という。)に訴訟が提起された事件のうち、既に決定が出ているものの内容及び会社の履行状況並びにそれ以外の事件の内容及び進行状況は、次のとおりである。

 (一) 昭和五十四年六月、神戸地裁は、兵庫労働金庫(以下「兵庫労金」という。)に対し、支部名義の預金を東洋シート労働組合(以下「東洋シート労組」という。)に支払つてはならないとの仮処分命令を発し、兵庫労金は帰属不明として当該預金を供託した。

 (二) 昭和五十四年十二月、広島地裁は、会社に対し、支部組合員十一人に昭和五十四年の夏季一時金を支払えとの仮処分命令を発し、会社は、同月、命令どおり支払つた。

 (三) 昭和五十五年三月、広島地裁は、会社に対し、支部組合員十一人に昭和五十四年の年末一時金を支払えとの仮処分命令を発し、会社は、同月、命令どおり支払つた。

 (四) 昭和五十五年八月、広島地裁は、会社に対し、支部組合員十一人に昭和五十五年度の賃上げ額及び昭和五十五年の夏季一時金を支払えとの仮処分命令を発し、会社は、同月、命令どおり支払つた。

 (五) 昭和五十五年十月、広島地裁は、会社に対し、支部との団体交渉に応じなければならない旨の仮処分命令を発した。このため、支部は、団体交渉の申入れを文書で行い、これを受けて、会社も支部に対して文書で回答しているが、現在までのところ、団体交渉は行われていない。

 (六) 昭和五十五年十月、広島地裁は、会社に対し、支部に一定額の金員を支払え、支部組合員の賃金のうちの一部を東洋シート労組に支払つてはならない等の仮処分命令を発し、会社は、同月、命令どおり金員を支払う等の措置をとつた。

 (七) 現在、広島地裁において、組合事務所明渡し仮処分申請事件並びに昭和五十四年の夏季一時金及び年末一時金の残額支払い請求事件が係属中である。

 政府としては、以上のとおりであると聞いている。

四について

 最近、支部組合員から広島労働基準監督署に対し、数次にわたり賃金支払い又は年次有給休暇等に関する労働基準法違反の申告が行われた。
 広島労働基準監督署においては、これらにつきそれぞれ監督指導等を実施し、同法違反が認められたものについては是正勧告を行い、同法違反は認められなかつたが改善を要すると認められたものについては改善指導を行つたところであり、これらについては、会社から、それぞれ是正、改善を図つた旨の報告を受けている。

五から八までについて

 御指摘のことについては、現在、いずれも事件が労働委員会や裁判所に係属しており、政府としてとかくの見解を述べることは差し控えたい。

九について

 従来、広島県等関係機関において、紛争の早期かつ円満な解決という観点から、関係者からの事情聴取や会社に対する指導、助言が行われてきたところであるが、政府としては、今後とも、適切な指導、助言が行われるよう、これら機関と連絡を密にして対処してまいりたい。

 右答弁する。




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