衆議院

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昭和五十六年三月十三日受領
答弁第一一号
(質問の 一一)

  内閣衆質九四第一一号
    昭和五十六年三月十三日
内閣総理大臣 鈴木善幸

         衆議院議長 福田 一 殿

衆議院議員金子満広君提出家内労働者(家内労働法にいう)の工賃支払の確保と社会保障問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。





衆議院議員金子満広君提出家内労働者(家内労働法にいう)の工賃支払の確保と社会保障問題に関する質問に対する答弁書



一について

 民法第三百六条第二号にいう「雇人」とは、雇用契約によつて労務を供給する者を指すものと解される。
 ところで、家内労働者と委託者との間の委託に関する契約は、家内労働者がある仕事を完成し、委託者がその仕事の結果に対して報酬を与えることを目的とする契約であると考えられる。
 したがつて、家内労働者の工賃を同号に規定する「雇人ノ給料」と解することはできない。

二について

 家内労働の委託契約は、一定の期間についての労務の供給を前提にして行うものでないこと、また、家内労働者は、複数の委託者と委託契約を結ぶことができることなどから、御提案のような制度を設けることは適当でない。

三について

 雇用保険制度は、その適用事業所の事業主に雇用される労働者を被保険者とし、その被保険者が失業した場合に、失業給付を支給して生活の安定を図るものである。
 したがつて、事業主との間に雇用関係のない家内労働者を雇用保険の適用対象とすることは、制度的に不可能である。
 また、二についてで述べた実態に加えて、家内労働者が仕事をしていない場合におけるその原因の確認が困難であることなどから、休業補償制度を設けることははなはだ困難である。

四について

 未払賃金の立替払事業は、雇用労働者に対し使用者が支払責任を有する賃金について立替払を行う制度であり、使用者責任の強制保険である労災保険の事業として実施しているものである。委託者が責任を負うべき家内労働者の未払工賃に係る債務を未払賃金の立替払事業の対象とすることは、その制度の趣旨からして労災保険の特別加入者であるか否かを問わず、はなはだ困難である。

五について

 労災保険の特別加入における家内労働者の経済的負担を軽減するため、委託者による保険料負担について指導し、その加入の促進を図つているところである。
 なお、労災保険料に対する自治体の補助については、地方公共団体の自主的な判断に基づいて実施すべきものと考えている。

六について

 労災保険の特別加入制度は、雇用労働者ではないが業務の危険度が特に高い等雇用労働者に準じた保護を行うことが特に必要であると認められる者について、保険技術的に可能な範囲で労災保険加入の途を開いているものであり、家内労働者については、所定の定型化された特に危険有害な作業に従事する者について、当該作業への従事そのものに直接起因する災害についてのみ補償を行つているところである。
 したがつて、所定の危険有害な作業に直接起因する災害とは異なるいわゆる戸外事故を補償の対象とすることははなはだ困難である。

七について

 家内労働の現状にかんがみ、今後とも家内労働法を適正に実施するとともに、同法の周知徹底を図り、家内労働者の労働条件の向上に努めてまいりたい。

 右答弁する。


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